珠洲たの通信・2011年11月号

2011年度

 今年もあと一ヶ月となりました。なんか,いつの間にか時間がすぎていきます。個人的にはいつもと変わらないような1年でしたが,大震災があって,世の中は少し進む方向を変えた年でもありました。そのまま方向を変えて欲しいのですが,今の利権(既得権)に群がることしか能のないヤツがまだまだいっぱいいて,そう簡単には新しい世界は来ないような気もします。教育界なんて,未だに学力と能力主義の世界一辺倒ですからねえ。これで子どもたちが勉強好きになるわけがないのですが。

■例会の参加者(7名)
 M.S(S市T小)  M.O(N町U小)  S.N(N町U小)  M.N(W市K小)  K.H(S市立M中)  H.H(S市S小)  T.M(A町A小)

今月紹介された本

資料の紹介

1 「お気楽たより・2011年11月号」B5 4p     M.S
 内容は,研究発表会で感じたこと,読書の秋,だれが信じるか,の3題です。
 Sさんの学校では今年の秋,研究発表会が行われました。そこで「感じたこと」をつらつらと述べています。Sさんは,発表会に使ったプレゼンを作ったそうですが,完成するのに述べ40時間もの時間を費やしたそうです。なんと勤務時間1週間分を使ったことになります。これってどうなんでしょうか。私たちの本職は授業のハズですが…。マイクロソフトのソフトには「何時間かけて作ったのかが分かる」ボタン?があるそうです。へ~そうなんだあ。
 紹介してくれた本は以下の通り。
○マッキー作『六にんの男たち~なぜ戦争をするのか?』(偕成社,1200円)
○池谷薫著『蟻の兵隊』(新潮文庫,438円)
○金森俊朗著『「子どものために」は正しいのか』(学研新書,740円)
○金森俊朗著『子どもの力は学び合ってこそ育つ』(角川,724円)

 この中でも特に金森さんの著書に「渇を入れてもらった」そうです。カッコ付きの「学力」と叫びすぎる昨今の教育界に苦言を呈しているそうです。是非,読んでみてください。
 「だれが信じるか」は,東北の親戚から聞いた話です。お上の発表をだれも信じなくなっている現状が報告されました。

2 「もしも日本人がみんな米つぶだったら」 A5 6p     M.S
 山口タオ著『もしも日本人がみんな米つぶだったら』(講談社)を元にした簡単な授業プランを作って来てくれました。
 大きな数を扱ったときにでもやればいいかも。
 家庭科の時間でやることも可能ですね。だってお米の話だから。
 実際に,お米の数と重さをかけ算するってことをやったりするのなら,理科の授業でも可能です。グループで1000粒取りだして重さを量り,その平均を取って,一合が何粒くらいかを出すんです。楽しそうだなあ。
 いろいろ発展しそうなプランでした。

3 「My BOOK 2011年11月号」B5 2p       K.H
○近藤麻里著『人生がときめく片付けの魔法』(サンマーク出版,1470円)
○小原茂巳著他『よくある学級のトラブル解決法』(仮説社,1365円)
○秋葉良信著『サントリー…知られざる研究開発力』(ダイヤモンド社,1575円)
○榊原洋一著『はじめに読む自閉症の本』(ナツメ社,1260円)

 以上の4冊の読書感想文?を紹介してくれました。
 『ときめく…』は「モノを手にしたときにときめかなければ捨てる!」と書かれているそうです。なるほど,捨てるかどうかを「ときめき度」という指標で判断するわけですね。
 サークルでは,「捨てる必要があるのは場所がない人たちだろう。田舎のように家に空間がいっぱいあるところではそんなに頑張って捨てなくてもいいんじゃないか」という田舎者らしい意見がありました。そりゃそうですね。ただし,必要なモノを取り出せなくなるのでは困りますがね。あと,「残すべき殿堂入りの本は迷わず手元に残す」という一節で「オレの殿堂入りの本は何かな」という話になりました。
 私は「仮説関係の本やガリ本や資料が本棚3つ分(もうすぐ4つ分になる)」「原発関連図書が本棚1つ分」は文句なしで残します。あと,あれもこれも…と考えていると,ほとんど捨てられない本ばかりだということが分かりました。だって,読む本だけでなく調べるための本も持っているので,これらはすべて捨てられそうにありません。
 小原さんがまとめた本はお薦めです。これは超お薦めです。これを読んでいるのといないのとでは,今後の学級経営にも違いが出てくるでしょう。絶対読みましょう!

4 『サークルレポート11月号』 A4 3p     H.H
 久しぶりの参加です。レポートの内容は「話し方大会の原稿づくり」「合唱の声は気持ち悪い?」「うそをつく子には,どうしたらいいのだろう?」の3つ。
 Hさんの勤務校の校区には,公民館が主催する「話し方大会」というのがずっと前から開かれています。6年生全員がこの大会に参加することを前提として4月から育っていればいいのですが,なかなか難しい…という話でした。しかし,人に訴える文章を書くコツというのもあるわけで,そのコツをしっかり伝えることで自分で書いた文章を推敲する力もつくようです。また,話し方大会での「表現」の指導は,作文とはまた違った<要素>が入ってきます。そのために,以前の大会優勝者の姿のDVDを作成し,それを見せてやったらイメージ(メンタル)トレーニングになるのではないかという工夫も話されました。
○芦永奈雄著『「本当の学力」は作文で劇的に伸びる』(大和出版)
○高妻容一著『爆笑問題の日本の教養 スポ根なんていらない?』(講談社)
○『今すぐ使えるメンタルトレーニング選手用』(ベールボールマガジン社)

などの本も参考になるそうです。
 合唱の話題については,S.Nさんが音楽の専門家?なので,よかったです。ま,芸術の世界なんて,せいぜい好みだと思っているのは私だけ?? 好き者が集まってやる合唱と,そうじゃないクラスの合唱とも指導法は違ってくるのではないかと思います。ただ,「合唱には合唱にあった歌というか楽譜がある」というのはなんとなくわかりました。
 みなさんは「うそをつく子にはどうしていますか?」という問いかけも新しくて古い問題ですね。今までにもそんな子に何度も出会ってきていると思います。私は,そんな子とは,せめて「もううそをつくなよ」という約束だけはしないようにしています。だって,その約束を守れなかったら,またうそをついたことになるんですから。

5 「すずたのレポート」A4 2p     M.N
 「ツールドのと」に参加したことを中心に,その大会参加で感じたことをまとめてきてくれました。
 今年はなんと3日間全日程に参加したそうです。初日と3日目は季節外れの寒い日で,しかも,中日はとても暑い日でたいへんだったそうです。こんな過酷なレースに参加したくなるのは「好きだから」ですよね。走っている時間も好きなんだろうし,やり遂げた自分も褒めてやりたくなるんでしょう。子どもの授業も「授業中も好き」だし,テストを終えた後も「おれもよくわかった」と自分を褒めてあげられるような授業をしていきたいものですね。
 最近,自転車のマナー(たぶんルールだろう)が悪いと言う話題がテレビなどで取り上げられています。ルールはちゃんと守って欲しいし,マナーは,しっかり身につけて欲しいです。

6 『再び「基礎・基本」とは-教材「てこ」を例として』 A5 20ぺ  M.O
 地元の理科研究会で小学校のてこの授業を見ました。そのときの整理会で自分が話したことの後ろ盾が気になってちょっと調べてみたことをまとめてきました。
 明治・大正・昭和の教科書で「てこ」はどのような位置づけで教えられていたのか。特に「作用点」という言葉は「科学教育上の基礎・基本なのか?」ということについて,まとめました。
 自分ではまだ途中経過のつもりです。もう数種類の教科書や資料に当たってみて,まとめ直したいと思っています。

7 「科学かわら版」 A4 12ぺ    M.O
 仮説実験授業の感想文集を2種類持ってきました。ひとつが5年生と行った《花と実》の授業。もう一つが6年生と行った《食べ物とウンコ》の授業です。
 《食べ物とウンコ》では,授業を続けていくと,最初「ウンコ」なんて口に出して言えなかった女の子までが,「植物もウンコをすると思います!」なんて平気で口にするようになります。その変化がなかなかおもしろいです。地球の空気や海水の量をイメージする1.3mの模型も迫力があって子どもたちのノーミソに鮮烈に刻み込まれます。
 今回は,地元の星の観察館「満天星」から宇宙食も手に入れてみんなで食べてみました。取り合いするほどおいしかったですよ。
 また,5年生との《花と実》は1学期からの長丁場の授業となりました。プリントにして100ページもありますが,いろんな植物が手を変え品を変えて出てくるので飽きません。ここでも,今回はなるべく実物を用意するようにしました。食べれるものはどんどん食べさせました。イチジクを初めて食べた子もいて,田舎だけど時代は変わったなあって思いました。

8 地震授業用プレゼン    M.N
 県視聴覚研究大会で公開授業をしたときに使ったプレゼンを見せてくれました。内容は,尾形が以前まとめたものを基本として,さらに東日本大震災も視野に入れて発展的に学べるようになっています。

 その他,浜谷直人著「個への支援からインクルージョンへ」『教育・2011年11月号』より(紹介:O),新居先生の授業DVDプレゼント(提供:O)がありました。

 さて,次回は,いよいよ今年最後のサークルです。それでいつものように,サークルの後で忘年会をします。今のところ,近くのお寿司屋さんでやろうと思います。忘年会では,ゆっくりと話ができるので,これまでも,ちょっと長い話題や相談事を話したり,授業や劇のビデオなどを上映したこともありました。
 安心して忘年会に出席できるように,早めの通知表をお願いします。
 忘年会に参加できる人は,珠洲たの管理人へ,メールをお願いします。

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