珠洲たの通信・2010年4月号

 4月のサークルから随分と時間が経ちました。
 この間,5月の(再)入門講座や全国大会に向けた準備など,いろいろと活動はしていたのですが,その分サークルは1ヶ月,お休みとなっておりました(ということで2ヶ月空いたことになります)。
 さて,新しい学級での生活はいかがでしょうか?
 出会いが新鮮だったあの頃(4月)とは違い,6月ともなると,そろそろ担任も子どもも素性が知れてしまって,なあなあの付き合いになっているかも知れませんね。
 でも,「あなたは子ども,私は教師…」なんてよそよそしい姿よりも,なあなあの付き合いもいいかもね。
 だがしかし,やはり我々教える人間は<教える人としての尊厳>は持っていたいなと思います。そのためにも「先生と勉強したら知らないうちに賢くなった」と子どもたちに言ってもらえる授業をしたいなあと思っています。
「先生,討論したい!」
と6年生の子どもたち。
「昨年みたいに討論をまた書いてきてよ~」
とある女の子。
 昨年2度だけ発行した『授業通信』のことを指して言っているのです。
 最近は時間がなくて(全国大会記念ガリ本のためのテープ起こしに時間をとられているのだちょっと大変だけど,「子どもが言うなら,書いてみっかなあ」なんて思って,討論の録音はしてあります。
 こんなふうに,教師を勤勉にさせるのは,輝く子どもの眼があるから…。そしてまたその眼を見たいから…。
「先生,理科つぶれてばっかりやって,子どもたちが残念がっています」
というのは担任の先生。
 原子・分子を使って考える《燃焼》の授業は,文字通り「燃え上がって」います。
 詳細は,6月のサークルで。  

■4月の例会の参加者(6名)
 T.M(A町A小)  M.S(S市T小I)  H.H(S市S小)  M.O(N町U小)  K.H(S市M中)  T.M.(N町U小) 

資料の紹介

1 「2週間だけど楽しい」 B5   4ぺ      M.S
 5年ぶりの小学校。仮説実験授業がたっぷりできると大喜びのSさん。
 学級開きから2週間分のカレンダーをまとめてきてくれました。
 新任式では,「不思議ヒモ」と「なぞなぞ」で全校の子どもたちの心を掴みます。
 学級へ行ってからは「自己紹介クイズ」「アクロスティック」
 次の日からは,仮説実験授業《空気と水》をはじめたそうです。子どもにとって初めての仮説実験授業。盛り上がった様子でした。私も2日目から,バンバン授業をします。席替えなんて後回し。係活動なんてなし。まずは授業です。授業をする中で「この先生は楽しそう」と思ってくれれば,こっちのものですからね。
 実は,最初は「係活動」なんて決めない方が子どもたちをほめることができるんです。だって気づいて色々やってくれる子が必ずいるからね。
「すごいね,係でもないのにちゃんとやってくれる。さすが1年上がっただけあるよ」
ってね。これも熟年教師の年度初めのテクニックです(係をいろいろ考える時間もめんどくさいし,そんなもの5月頃に決めれば十分ですよ)。
 図工では「切り紙ファイル」。このネタはSさんの定番ネタとなりかけているとか…。
 今回のサークルでも作ってみました。実際は,写真よりももっといいものに仕上がります(このネタは,5月の再入門講座のものづくりでも行いました。4月の『たの授』にも紹介されていました)。
 1週間しかたっていないのに,「自己紹介カード」の「好きな授業」のところに「科学」と書く子も出てきたと言います。
 総合の時間は,仮説やり放題だからいいねえ(そうじゃない学校もあるけど…)。
 あ~,オレも担任やりてー。

2 「ヒストリアクラブの構想」 B5   2ぺ    M.O
 クラブ活動と言えば,「少しでも楽をしたい内容で」と考える教師がたくさんいます。単調なことを繰り返していれば時間が経つようなもの,準備が必要のないものを選ぼうとする人たちがいるのです。ま,それはそれで悪くないと思います。子どもの方だって,それを希望で参加するのでしょうから…。
 でも,何故か私はいろいろと準備するものを選んでしまいます。「将棋クラブ」をやったときだって(これは子どもの希望で仕方なく担当したのだが),「詰め将棋」の本を買ってきて挑戦させたり…とにかく何かいつもと違うことをさせようと考えてしまうんです。
 何よりも「やっている私自身が楽しいもの」「子どもたちが新しい世界と出会うもの」というのを準備したくなるのです。
 さて,そういう私が本校に来て3年間でやってきたクラブは
「パソコンクラブ」「科学クラブ」「漢字クラブ」
です。
 で,今年は「今までに自分でもやったことのないクラブ」を考え,NHKの番組にちなんで「ヒストリアクラブ」というのを立ち上げてみました。
 これって何をやるのか決まっているわけではありません(^^ゞ)。
 サークルで話したところ,みなさんが提案してくれたネタは,
 寺子屋ごっこ,お香を焚いて写経,お寺さんで座禅体験,茶道,エレキテル
などでした。これらと,自分で考えたものを組み合わせると,けっこうバラエティーに富んだものができるかもしれません。
 その中から子どもが喜んでくれたネタを持ちネタにしていきたいと思います。
 また,その後を紹介しますね。

3 「2年学年通信」№1,№2 A4   2ぺ       K.H
 4月に配布した「学年通信」を2枚持ってきてくださいました。M中もいつの間にか1学年3クラスになっちゃったんだねえ。
「今,ここから」新たな気持ちでスタートを切るチャンス。応援しています!!
 いい言葉ですね。
 中学生ともなると,あまりベッタリくっつく必要はありませんからね。背伸びをしたり甘えたりする中学生の姿を,遠くから,近くからじっくり見てあげていたいですね。

4 「数学かわら版」 B5  4ぺ           K.H
 中2と中3の子どもたちに向けた「授業通信」です。
 いずれにも紹介されているのが『ドラゴン桜「16歳の教科書」』(講談社)からの引用文です。タイトルは「数学力とは<真実を見抜く力>だ!」です。
 数学で学ぶのは「知識」じゃないんです。もっと根っこのところにある「数学的な考え方」つまり,ものの考え方や論理の進め方などを学ぶのが,数学という学問なんですね。
 これはそのとおりですね。どの教科にも言えることでしょう。そのときに,その学ぶこと自身が楽しくて自分が賢くなったと思わないといけないのでしょう。学びがいのある「教材内容=知識」を与える中で,そういう考え方が身に付くのが一番です。
 私たちは「数学的な考え方」や「科学的な考え方」それ自体を教えることはできません。教えるのはあくまでも「文化遺産の一部」です。それを楽しく学びがいのあるものとして教えることが大切なのだけれども,それがなかなか難しいのです。
 でも,少なくとも教師が,知識の奥にあるこのような仕組みを知っていることで,断片的な知識を習得させることに右往左往しなくてすむようになるでしょう。

5 「最初の授業…今年は,体育と外国語の教師です」B5 8ぺ M.O
 今年も級外。これで何度目の級外だろうか? 昨年は組合の役員もしていたので仕方ない部分もあったが,今年はもしかしたら…と思っていたのだが,希望は聞いてもらえず。あははは,もう歳だからなあ。でも,担任をしないとなると平でいる必要がなくなる。私は担任をしたいから平でいるのに…。職員室の電話番なんてしたくない。
 さて,今年の私は,タイトルどおりの教科を持つことになりました。
 月曜日の午前中3時間が体育。水曜日は4時間の外国語活動。木曜日は,5年生2クラスの授業に6時間入り浸り。ある意味,疑似担任になれる日。
 レポートの内容は,4月の前半に行った授業の内容の紹介です。
 最近,4月になるといつもまとめているような気がします。

☆能登仮説実験授業(再)入門講座ナイターの資料

○「初めての小学校は,難聴学級の2年生」B5 2ぺ   T.M
 5月の「能登仮説実験授業(再)入門講座」のナイターでMさんが資料を出して話題提供をしてくれました。
 今年度,初めて小学校へ行き,そして難聴の児童を担当していることでいろいろ考えたこと,感じていることを発表してくれました。
 自分(指導者)の思うように進まないことで,イライラすることもありますが,次の板倉先生の言葉に肩の力が抜けてゆったりとできるようになったと言います。
結局,子どもはすべて素晴らしいのです。そう考えるから教育はうまくいくのです。「こっちの人間が素晴らしくて,こっちの人間はだめ」という座標は,科学には一切ないのです。どっちも素晴らしいのです。しかも,両方いていろいろ考えるから,新しいことが見つかるのです。(板倉聖宣著『仮説実験授業の考え方』仮説社)

 6月の定例会は,全国大会の進捗状況も話をしたいと思います。ぜひ,参加してください。もちろんいつものようにレポート交流やものづくりなども待っています。また,素での参加もOKです。
 新しい方への参加への呼びかけもお願いします。忙しい学校現場だからこそ,楽しい授業をして,子どもの笑顔を見ることが,教師にとっても<癒し>となりますからね。やりがいのある仕事を楽しく続けるためにも,こういうサークルの存在を若い人たちにも知って欲しいです。肩の力を抜いて行こう!

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