珠洲たの通信・2010年10月号

 またまたご無沙汰してしまいました。
 10月のサークル以来,私的には,一番身近な伯母が亡くなったり,大詰めの『大会記録集』の編集に没頭したりして,あるいは来年の○○の打合せなどで時間を使っていました。特に11月に入ってからは,大好きな「イ・サン」も見ずに,家に帰ったらパソコンの前に坐りっぱなし。お陰で『大会記録集』は反省会までには間に合いそうです(貯めてあった「イ・サン」はこの週末に見まくっています)。
 そんなわけで,通信を今ごろ書いています。もうすでに11月のサークルも終わってしまったのですが,こういう記録は後々役立ちますので,遅ればせながら書き留めておきたいと思います。
 実は,サークルで出されたレポートをこうして打ち込んでおくと,あとで「検索する」のにとても役立つのです。これを紙でもらった人は,一読して終わりです。しかし,HPには,そのままデータを載せてありますので,検索をかければいつのレポートだったかをすぐに探し出せます。
 例えば「珠洲たの」HPについている検索窓で「宮澤賢治」と検索すると,以前,宮澤賢治が話題になったときのサークル通信や本の紹介,レポートなどが引っかかってきます。
 たしか野口悠紀雄氏が「ネット上のサーバーは自分のデータの置き場所だと考えると便利」と書いていました。HPやブログを作らなくても,今じゃ,自分のデータをサーバに置いておけるサ-ビスもあります。これを利用すると職場からでも,自分のデータを参照することができるので大変便利なのです。一度,このあたりのことを紹介してみようかな。
 この1ヶ月間,久しぶりに忙しかったために,時間を有効に使うことにとても気を遣いました。みんなに与えられた時間は同じだけど,活用の仕方によっては2倍くらいになると思っています。 

■10月の例会の参加者(5名)
 M.S(S市T小)  M.O(N町U小)  M.N(W市K小)  S.N(N町U小)  K.H(S市M中)

資料の紹介

1 「ETC…etcつまりいろいろ」 B5   3ぺ   M.S
 時間切れで途中になったレポート。内容は,「アドラー心理学から自尊感情へ」「赤ちゃん登校日」「三角形の書き方」「折り染めをやりました」「《世界の国旗》やってます」です。
 文章になっているのは最初の「アドラー」だけでしたが,あとは口頭で話をしてくれました。
 アドラー心理学については,以前,サークルでも話題にしました。さっそく検索してみてください(^^ゞ)。星一郎著『アドラー博士の子どもを勇気づける20の方法』はわかりやすく書かれている実践編です。Sさんは,野田俊作著『クラスはよみがえる』という本なども紹介されていました。
 今回はアドラーの話ではなく,デニス・ローレンスの著書の話です。
 自分のクラスを見ていて「この子たちにはもっと自尊感情を高めてやる必要がある」と思いそれに関した本を探していたところ,デニス・ローレンス著『教室で自尊感情を高める―人格の成長と学力の向上をめざして』(田研出版,2008,3990円)という本に出会って,それを読んでみたという話です。
 子どもの指導は子どもを信じることことからしか生まれません。この「信じる」というのは「子どもはウソをついていない」という意味ではなく,「ウソをついていても,それは仕方なくついているのだ,子どもは成長したいのだ」という子どもの生きる力を信じるということです。「教師はあまり怒らない」「子どもに任せる」という話とは違うのです。そこを意識していかないと,教師が適切な指導しないことでよりその子の自尊感情を損なっていることもあるのですから。
 今流行の話題「赤ちゃん登校日」。この実践をはじめたのは現鳥取大学医学部准教授の高塚人志さんという方です。プロフィールによると,彼は,元県立高校の保健体育教師で,県立赤碕高校時代に「人間関係体験学習(レク授業)」を9年間実践した時の中心人物で,それが医療関係や教育現場などから注目されたようです。
 そしてそれをマネして,全国のあちこちで「赤ちゃん登校日」が実施されているようです。しかし,子どもの人間関係づくりを確立するために9年間やってきたことを1日の「赤ちゃん登校日」で培えるわけがない…という当たり前のことに気付かないと,赤ちゃんを抱いてニコニコ優しくていた子が,次の日には同級生を殴るなんてことは普通に起きるのです。
 教育の流行に敏感なのはいいのですが,取り入れるときにはそれなりの理論と実践を学習してからの方がいいでしょう。ただし,珍しいことを率先してやっていると何かやったような気になるから困ったものなのですが…こんなのを好きな管理職もいるしなあ。

2 「全国大会より学んだこと」 B5   4ぺ     K.H
 Hさんが参加した分科会で学んだことを書いてきてくれました。「授業原理分科会」では,田辺さんが小原茂巳さんから学んだ「問題解決発想法」について話をしたらしく,それがとてもよかったと言っていました。
 田辺さんが紹介している小原さんの問題解決法の言葉には以下のような言葉がありました。
 ベテラン教師は落ち着いて対応しているように見えますが,それは,単に「要求水準を下げられるようになった」だけということもできます。
 「たのしい授業学派(仮説実験授業学派」はベテランも若者も関係なく,〈悩みもシメタにしちゃおう!〉というところがあります。目の前に現れた「悩み」が〈悩み甲斐のあるものなのか,悩み甲斐のないものなのか〉をチェックして,もし前者なら悩みを【問題】にして解くことをたのしんじゃえ,というものです。まるで〈仮説実験授業の【問題・実験】をたのしむ子どもたち〉のようです。

 夏の全国大会が能登で行われたため,全レポート(400種類以上)が本部に残されています。私はまだ読んでいません。この冬休みにでも『記録集』を読んで気になったレポ―トをじっくり読みたいと思います。こんな贅沢は滅多にできないのですから。

3 「ツールドのと奮闘記」A4  4ぺ        M.N
 「ツール・ド・のと」などという疲れる競技に自ら進んで参加しているNさんに,「ツールドのと」の内容と,「なんでそんなことやってんだ」ってことを話してもらいました。
 能登半島を3日かけて1周するという自転車レース。一応,〈スピードがあまりにも遅いと時間切れで回収される〉そうなので,気分はレースですよね。1位とか2位とかはないそうです。「完走賞」一枚がもらえるだけ。
 それでは読者の皆さんに質問です。
①この大会の参加費は有料です。さて,いくらぐらいだと思いますか? あなたはいくらなら参加しますか? 
②Nさんの平均スピードはどれくらいだと思いますか?
③Nさんは「なぜ走る」のだと思いますか?
 回答を書きましょう。
①12000円/日
②平均すると時速21㎞~22㎞
③よく聞かれる質問らしいです。もともとはスキーのオフトレではじめたそうですが…ただひたすら走っているとなにも考えていないそうです。いろいろなことを忘れられるから…とか。ん~そんなもんか。
 自らの体に負荷をかけて楽しむなんてマゾみたいですが,趣味なんてそんなものかも知れませんね。

4 「ブログ的気楽レポ2010年10月号」A5 12ぺ     M.O
 今回の話題は「隠顕岩」「クマの出没」「辭苑」そして「大会事務局のまとめ(未完)」です。
 「隠顕岩」は,沖縄の話題の続き。
 「クマの出没」については,最近ニュースに騒いでいるので気になって調べてみました。米田一彦著『クマは眠れない』(東京新聞出版局,2008)を読んだことがきっかけです。意外な事実もわかると思います。グラフも描いてみましたのでご覧下さい。そのうちHP上でも紹介するつもりです。
 『辭苑』は知人から頂いた『広辞苑』の前身である辞典の話。戦前の国語辞典なので今のものとはその表現が違っていて大変興味深いです。たとえば,
かみぐに(神国)…①(神の造り守り給ふ國の意)日本国の意稱。しんこく。
と出ています。『広辞苑』にはこんな表現はありません。

4 「自分の紋を作ってみよう」B5 2ぺ     M.O
 ヒストリアクラブ第何弾でしょうか? 
 クラブで,家紋というものを紹介して,自分でもオリジナルな「紋」を作ってみようと呼びかけたときのプリントです。
 加賀百万石・前田家の家紋は「梅鉢紋」です。だから金沢へ行くとよくこの紋を目にします。あとは徳川の「葵のご紋」。これはテレビの水戸黄門で知っているハズです。また子どもたちの大好きな宇出津町のキリコには各町内の「紋」がついています。それらを紹介してから,作成を促してみました。
 このように,今年のクラブはちゃんと勉強しているんですよ。
 次回はこの紋を元に旗をつくり,みんな足軽になってチャンバラごっこを予定しています。

 ほかには,板倉聖宣「理科の授業に役立ちそうな「哲学」と「心理学」」『理科教室2010年7月号』より(紹介:O)がありました。
 現場の様子を見ていると,〈好きな仕事を率先してやっている〉というよりも〈まかされた仕事をいやいやしている〉と感じる場面が多くなってきたような気がします。そんな現場の雰囲気に流されないためにも,せめて月に一度くらいは,指導要領も学校の常識にもとらわれない話をして,リフレッシュしたいと思います。
 次回もお待ちしています。

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