珠洲たの通信・2007年2月号

  今頃,2月号を書いています。3月は,引っ越しさわぎでついついパソコンでの仕事が行き届きませんでした。ゴメンナサイ。もう少し早く通信を書き出せばいいのに,毎月のリズムが「サークルの前の週の土・日」ってなってるからなかなか抜け出せないのです。年をとると応用が利かなくなるんだろうなあ。
 そんなわけで,2月に誰が来ていたのかも忘れちゃいました。レポートのある人だけ,一応書いておきます。誰かおぼえていたら教えてね。

■2月の例会の参加者(3名)
 M.S(NYSB)  K.H(S市O中)  M.O(S市S小)

資料の紹介

1.『ブログ的気楽レポ・2月号』 B5  8ぺ  M.O
 今月は,まず,《ハングルを読もう》の授業の話と授業グッズのこと。特に,ハングルをキーボードで打てる「コリアンライター」というソフトは便利です。古ソフトでも9000円しましたが,掲示物を作ったりできるのでとても便利でした。ハングルの授業は,とても刺激的で,子どもたちも喜んでくれています。3学期ギリギリまで授業をすることになりました。
 2つ目は,女の子を中心とするクラスの話題。1年間,ずっとこの子たちの<今>を紹介してきました。今,4月に書いたのを改めて読み直してみると,子どもたちの変化に驚きます。本当にいい方に変わってくれたなあと思います。3月のレポートには,どのような指導が学級の雰囲気を変えたのか,それを考えてみたいと思います。
 3つ目は新聞記事の紹介。凹面鏡が収斂火災を起こしたという記事です。仮説実験授業《光と虫めがね》の授業の話題として使えますので永久保存版ですぞ。
 最後は,今月の本棚。紹介したのは,以下の7冊とDVD1つ。
○三田紀房著『個性を捨てろ! 型にはまれ!』(大和書房,2006,190ぺ,1200円)
○広中平祐著『可変思考』(光文社文庫,2006,276ぺ,514円)
○東野圭吾著『サンタのおばさん』(文藝春秋,2001,70ぺ,1330円)
○中山千夏著『へんなの』(国民自由社,2004,30ぺ,1470円)
○マージェリー・ウィリアムズ著『ビロード うさき』(童話館出版,2002,44ぺ,1400円)
○香山リカ・佐高信著『チルドレンな日本』(七つ森書館,2006,183ぺ,1400円)
○落合恵子他著『戦争で得たものは憲法だけだ』(七つ森書館,2006,166ぺ,1200円)
○DVD『追憶』
 今月は,人様から紹介されたお薦めの本を購入し読んでみました。先の2つはサークルで話題になったもの。『サンタ』と『へんなの』は組合の両性の自立と共生の学習会で教えてもらったもの。家の娘達も喜んで読んでいました。七つ森書館の本を読んでから『追憶』を見てみました。映画のテーマソングは知っていたけど,内容はこんなものだったとは知りませんでした。今の若い人が見ても,共産主義とか分かるんだろうか??? 

2.『「たし算とお金」その2』 B5  4ぺ  M.S
 マサキとキョウヘイの「たし算とお金の学習」のその後の様子をまとめてきてくれました。たし算の方は,次のようなステップでやっています。
(1)片面に「と」その裏に「+」,「で」その裏に「=」を書いた両面マグネットを使って,タイルを置いたり,数字を書いたりしながら,「と」が「+」に変身するし,「で」が「=」に変身するのがたし算というものだと繰り返す。
(2)(1)と並行して,タイルの動きで合わせる,つまり「足し算」を意識する活動を繰り返す。
(3)ノートに足し算の式をやってみる。悩んでいるようなら,ヒントタイルを見せて,実際に動かしてみせる。
 また,お金の方は,
(1)硬貨を種類ごとに並べる
(2)何円になるかをカードを使って並べる。
(3)提示された金額をカードに並べる。
という方法を示しています。
 いずれも,二人二様という感じで,一筋縄では理解してくれません。障害児教育というのは,本当に,試行錯誤の積み重ねだなあと思わざるを得ません。
 あと,「ちょっとしたこと」ということで,四角い紙から,ハサミで○を切り抜く時の話がありました。マサキは,紙の中に○が書いてあるだけでは,ハサミを握りしめたまま切れないというのです。どのようにその○までたどり着けばいいのか分からないらしいのです。そこで,紙の端から○に向かって切り込み用の補助線を1本入れるとすんなりと○を切り取ることができたそうです。
 これを聞いて「ヒトのノーミソというのはおもしろいな」と思いました。どんなクラスの子たちにも,いろんな壁を乗り越える時に,ちょっと手伝ってあげる(補助線を示してあげる)という場所・場合が,日常の生活や授業にもたくさん潜んでいるような気がします。

3.「<図形と証明>感想2006年度」 B5  2ぺ  K.H
 《図形と証明》の授業感想文をまとめてきてくれました。数学のおもしろさに気づいた人がいっぱいいるようです。
・どんな2つの正方形でも2つの正方形と同じ(面積が)1つの正方形にできることにびっくりした。
・平方根を使うということにびっくりした。
・ルートを使うことにびっくりした。
・大きい正方形の一辺の長さが,2つの正方形の√になったのがすごかった。
・数学ってすごいなあと思った。
・三平方の定理はすごいと思った。そして,それを見つけた昔の人もすごい。
・昔の人の知恵が,数学という学問の基礎になっていることにびっくりした。
などなど,いい感想がたくさんありました。教科書通りの授業をやっているだけでは,平方根(ルート)を習っていても,それが実際の生活に役立っているという感覚がないということがよく分かります。
「数学ってすごい」「それを見つけた人もすごい」などという感想は,普通では出てきません。「こんな定理を見つけるから,俺たちが勉強しなければならないのだ」などという愚痴を聞くことは良くありますが…。
 この生徒たちは,数学の素晴らしさを感じながら三平方の定理を学んでいるのです。この子たちのように,数学を,楽しく,驚きを持って学んだ経験は,そうじゃない子たちと比べて,人生を大きく変えることになるかもしれません。私達は,だからこそ,少々時間がかかっても,こういう授業をしていきたいのです。

4.『MY BOOK・2月号』 B5  4ぺ  H.K
 今回は,以下の本を読んだ感想を紹介してくれました。
○中一夫著『<学力低下>なんかこわくない』(ほのぼの出版)
○内海実著『きちんと生きている人がやっぱり強い』(河出新書)
○藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書)
 『国家の品格』について,何カ所か抜き出して紹介していますが,私が紹介した部分と違うのがおもしろいです。数学を教えているHさんだからこそヒッカカル言葉ってあるのでしょうね。

5.社会の科学・授業プラン『夫婦別姓 反対増は本当?』 A5 12ぺ     M.O
 新聞で見つけた「選択的夫婦別姓制度 賛否拮抗?」の記事。そのグラフを見ると,前回の調査では,選択的夫婦別姓制度導入に向けての法律改正派が多かったのに,今回の調査では,賛否が拮抗してきたので「法律改正をしばらくしない」というものでした。
『北陸中日新聞』の特集記事では,この調査の回答者の分布に異議ありという内容でした。よく読むと,確かに気になる部分があります。そこで,私は,原点の資料にあたってみることにしました。こういう時にインターネットは便利です。
 いくつかの記事をネットで探した後,内閣府のホームページから,いろんなデーターをダウンロードしました。ついでに,前回や前々回のデーターの一部も載っていましたので,それも見てみることにしました。そんなことをしているうちに,「問題」を作って予想し,グラフで結果を見るというような授業プランの形に仕上げたくなってきて,気がつくと,一日かけて12ページのプランを作っていました。
 そのプランをメンバーを相手にやってみましたが,けっこう喜んでくれたようです。選択肢についての意見もあったし,もう少し改良して来年でも大会に持っていくかな。これも中さんの影響ですね。
 それにしても,こういう風にしてプランを作るのは,「オレは研究している」ってな感じがして,とても楽しかったです。

 このほかには,「学級通信・つむぎMAX」(O),「進路だよりNo.6」(H)などがありました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました