珠洲たの通信・2006年12月号

2006年度

 あけましておめでとうございます。昨年同様,よろしくお願いします。
 「1年の計は元旦にあり」といいますが,みなさんは今年1年,どんな年にしたいですか? 1年先を考えるってことはなかなかありませんが,お正月ぐらいは,大風呂敷を広げてみてもいいのではないかと思います。
 この珠洲たのサークルを立ち上げたのが1987年12月。今年の12月が来れば,まるまる20周年となります。そこで20周年記念なぞというイベントを組んでもいいなとも思いますし,ま,たんたんと過ぎていく20年目ってのもいいかとも思います。結局成り行き任せか…。
 さて,12月の会は,「すべてが終わった後がいい」という一部の声に応えて,第4土曜日に行いました。でもいつもの宝立公民館は閉まっています(というか,図書室を別の団体に使われていた)。仕方がないので,忘年会をする予定になっている幸ずしさんにお願いして,午後2時頃から部屋を貸していただきました。わがままだなあ。しかも,お茶まで出していただいて…。午後5時30分頃からは,刺身をつまみながらレポート討議,そして自由議題へと移っていったのでした。

■12月の例会及び忘年会の参加者(7名)
 M.K(S市S小)  H.H(S市S小)  M.S(NYSB)  K.H(S市O中)  T.M(N町M小)  R.H(N町Y小)  M.O(S市S小)

今月の写真

資料の紹介

1.『ブログ的気楽レポ・12月号』 B5  11ぺ  M.O
 06年の1月からはじめた「ブログ的気楽レポ」でしたが,どうにか1年間続けることができました。1ページくらいの話題から4ページくらいの話題まで,毎月,2~4種類の話題をレポートすることができました。「書く」という行為は,自分の「今」を切り取ることです。自分の今を切り取ることで自分が今考えていることが明らかになり,整理されます。月に一度そういう機会を自分に与えられることは,なかなかいいことだなあって思います。教師の常識に染まらないためにも,これからも,<自分の今>を時々見つめていきたいと思います。
 さて,12月には,次のような話題を書いてきました。
 一つめは,「2泊3日の東京ツアー」です。秋から計画していた東京行き。ちょっとお休みもいただいてのお出かけでした。浪曲師・国本武春公演に始まって,靖国神社(遊就館),鈴本演芸場,仮説社,ダリ回顧展,泉岳寺と,朝早くから夜遅くまで,東京の町を駆け回りました。ホテルには寝るだけといった感じです。小松の貝田さんとの2人旅でしたが,本当に楽しくて思い出に残る3日間でした。頼りになる人と行動すると気楽でいいよ。
 二つめは,東京ツアーの仮説社での「科学映画を見る会」を取り出して報告しました。仮説社に保管されているたくさんの科学映画のテープ。その中から数本を見せてもらい,制作者の牧衷さんから,制作秘話やら科学的な考え方,あるいは実験観などをお聞きしました。ここに眠っている映画の何本かをDVD化しようかという計画もあるそうです。早く実現して欲しいなと思います。今回の訪問をキッカケに,牧さんに小松まで来てもらうことになりました(5月の連休中です)。あけておいてください。
 三つめは,「例の三人娘」です。2対1にわかれていたのが,じわりじわりと三人が空間を共にするような機会が多くなり,今では,ニコニコ笑って三人で遊んでいます。
 私のやってきたことというのは,「無理強いしないこと」でした。いや,一度,無理強いして失敗したので,予想変更して無理強いをやめたのです。あとは,保護者に「すぐによくならなくても気にしないでやっていきましょう」「親同士の言い合いは良くないから,なにかあったら担任を通してください」と言ったくらいです。あとは,静かに見守るだけ。幸い,男子達は,女の子に対してやさしくなってきています。これも大きかったかも知れません。いつまで続くか…それは分かりません。
 最後に「今月の本棚」「今月のCD/DVD」。紹介した本・CDなどは次の通り。
○真山青果著『元禄忠臣蔵(上・下)』(岩波文庫,1982,各巻370ペ,約800円)
○橋本治文・岡田嘉夫絵『仮名手本忠臣蔵』(ポプラ社,54ぺ,2003,1600円)
○養老孟司・森毅著『寄り道して考える』(PHP文庫,261ぺ,2004,552円)
○長岡清・板倉聖宣著『社会にも法則はあるか』(仮説社,94ペ,2006,1200円)
○中道風迅洞著『新編どどいつ入門』(三五館,286ぺ,2005,1600円)
○外岡秀俊著『情報のさばき方』(朝日新書,245ぺ,2006,720円)
CD『長岡輝子,宮沢賢治を読む(全8巻)』(草思社,1991,2万2400円)
CD『広沢虎造・国定忠治伝(全5巻)』(ダイソー,各40分,105円)
CD『広沢虎造・清水次郎長伝(全5巻)』(ダイソー,各40分,105円)
DVD『仮名手本忠臣蔵(大序,三段目,四段目)』(NHK,190分,2006,4700円)
 これをみると,今,自分が何に興味があるのかが分かりますねえ。私の場合,一度興味を持つとだいたい半年くらいは凝りますからね。で,その中でも,体にピッタリきたものは,数年のめり込んで(お金を使って),打ち止めってことになります。今回は「忠臣蔵」ですね。宮沢賢治のCDは国柱会からみの先々月からの続きで,賢治の再体験のためのものです。
 この中で,長岡・板倉共著の『社会にも法則があるか』に載っている授業プランを実際にやってみました。「人の誕生日には法則があるか」というようなことです。結論を書くとネタバレになりますから,興味のある人は購入してください。

2.「100までの道のり~流れる水のごとくに~」 B5  4ぺ  M.S
 30までの数をクリアしたキョウヘイと59までの数をクリアしたマサキ。あれから1ヶ月,今では100まで分かるようになりました。10の位,100の位を「部屋」として意識させる方法。数字を順番に言っていき,使えるたびにタイルを出して説明する。それを繰り返しているうちに,100の位の意味も分かるようになったようです。
 今後の課題は,途中からの数字列をみて,数字を言えること。数字の途中からでは,どんな数字が入るか分からないのです。99でも覚えたての頃には,最初から言っていかないと分からない子がいますよね。それと同じ。99の場合でも,いつの間にか途中でもできるようになってくるのですが,そのとき子どものノーミソにはどんな変化が起きているのでしょうか。
 また,次にやるのはたし算にするか,あるいは,趣向を変えてお金にしようかと迷っていると言っていました。サークルでも色々と話をしましたが結論は「とにかくやってみましょう」ってことになりました。何をするにも仮説実験ですからね。
 最後の言葉がいいね-「流れるように数字を獲得していった二人。さすが水道方式!」だって。
 最近,水道方式の本もあまり見かけないけど,若い人たちにもしっかり伝えていきたい教育内容と方法です。

3.確かな読みと豊かな表現力をめざして  A4  12ぺ  H.H
 Hさんが,2月の全国教研に県の代表として行くことになりました。教科は国語(教研の分科会では「日本語」)です。そこに提出したレポートを持ってきてくれました。長大なレポートは,「3つの実践報告」と「前書き」「あとがき」で構成されています。
 実践報告の部分をすこし紹介します。
 実践は,宮沢賢治の作品を通して表題に迫っているというものです。
 実践1は,「セロ弾きのゴーシュ」を取り上げています。「物語の全体と部分を整合的に関連付けながら読む読み方」を追求したものとしてまとめられています。物語に出てくる動物達がゴーシュが変わるキッカケになるかどうかを叙述の部分と全体を行き来しながら読み取らせています。
 実践2は,「叙述に即して論理的・整合的に読む読み方」の指導例として「作品1004番」という詩を取り上げています。これは,以前このサークルでも紹介されました。この実践を「一見,意味のわからない文章でも叙述に即して言葉と言葉を整合的に関連づけていけば,その分に直接書かれていないことも読みとることができる。こうした読む力は,「確かさのある読み」を支える力の一つになっていると考える」とまとめています。
 実践3は,「作品を読むためのものさし(観点)を使う読み方」です。宮沢賢治の他の作品や年表などを事前に知らせることで,「やまなし」の読み取りにそれらをどう生かせるのかを考察しています。
「終わりに」から引用します。
自立した子どもを育てるには,具体的な手段(方法,手だて)を持たせ,それを使う場を設定し,子ども自らが作品を読むことができた喜びを持ってもらうしかないということである。

4.『MY BOOK・12月号』 B5  2ぺ  K.H
 最近読んだ本を紹介してくれました。
○たのしい授業編集委員会編『学級担任ハンドブック』(仮説社)
○太田光・中沢新一著『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書)
○中一夫著『ボクと仮説実験授業』(ガリ本)
 太田光が65年生まれ,中沢新一は50年生まれ。私は丁度その真ん中あたりですねえ。
 今回紹介してもらったいずれの本も,以前うちのサークルで話題に上ったものです。
 話は変わりますが,珠洲市にも「読書会」というのがあります。同じ本を読んだ者同士が,そこから発生する話を色々語るだけでもとっても勉強になります。学生時代,エンゲルスの本の読書会を喫茶店でやっていたことを思い出します。

5.『学級通信・つむぎMAX』 B5  8号  M.O
 今月持ってきた学級通信のテーマ(というか内容)は次の通りです。
№87 「未来を信じて」(道徳)
№88 「ピュア・キッズ・スクールで万引きの授業」
№90 「驚きの連続≪光と虫めがね≫」
№92 「あなたがいるから楽しいのです」
№95 「方角にも時間にも使われていた 十二支」
№96 「ふつうの日常がうれしい」
№97 「人権週間にアニメ映画PIPI」
№99 「津波から人を救った<稲むらの火>のお話」
№100 「算数テストの裏に書かれた「学習して思ったこと」より」
 以上,9日分です。
 このうち,№92,№96は何気ない学校での一コマを取り上げてみました。こうして子ども達の日常を取り上げて,「あなたがいてうれしいよ」ということを伝えてあげることを,もっともっと大切にしていきたいと思います。
 №87,97,99は道徳です。今月も真面目にしていますねえ。
 №99の「稲むらの火」は,ネット上に紹介されていた紙芝居をパワーポイントに取り込み,プロジェクターに映して授業をしました。紙芝居の授業は,ちょっと新鮮でした。授業も ① 紙芝居を読む,②心に残った場面を話し合う ③感想を書く というとても単純なものです。でも,こういう知識はしっかりと残しておいてあげたいです。「稲むらの火」は,昔の国定教科書にも書かれていたので,戦前の日本人には常識だったのですねえ。

 その他にも,東京みやげ「ブドウ糖のクリスマスカード」「ダリの絵はがき」「靖国神社の社頭の掲示」「遊就館にあった南部宮司の意見書」(紹介:O),「実家の蔵にあった古本の一部」(紹介:K),「龍馬,原点消ゆ」(紹介:H)などがありました。
 今年も一月に一度,言いたいことを持って集まりましょう。

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