珠洲たの通信・2015年3月号

2014年度

2021/01/19 記

 今日も外は雪。しかも低温なので,活動することはやめて通信を書いていきます。上の写真があったので参加者は以下の通りだと思います。

3月の例会の参加者(5名+α) H.K   O.M   K.M   S.M   T.K  

今月の写真

タネの模型飛ばし
空高く上がったタネ
「ピーナツタフィー」のレシピ
実際に作ってみました

資料の紹介

1 「風向き・2015年3月号」B5 4p  S.M
 サークルの日にはすでに内示がわかっていたようです。Sさんは,引き続き現校に勤務だったようです。
 最初は,アスカさんのはなし。やってもやっても身についてくれない数の概念。量の概念。積んでは崩し,崩しては積み。積んでいるつもりが,実は積めていなかったことがわかったり…。指導したことが入っていってくれないことのもどかしさとくやしさ。特別支援教育,あるいは1対1の教育って,なかなか難しいですね。あれから5年,令和のいま,アスカさんはどうしているのでしょうか。あのときできなかった数の概念はどうなっているのでしょうか。もしわかったら教えてください。
 今月号(2021年1月号)の『たのしい授業』に次のような言葉が載っていました。
「勉強にやる気を出してほしい」とか,「教室で子どもたち同士が仲よくしてほしい」とか,教育にはいろんな目標があります。でも,最低限の目標は「子どもたちが無事に家に帰ること」だとこのとき痛感しました。(34ぺ)
 これは,アドラー心理学について述べている淀井さんの文章の一部です。「わたしの仕事っていったいなんなの,何もできていない…」と思わずに,「今日も無事に学校で過ごしてくれた。そして無事に家に着いてくれた」ということも喜びにできるといいですね。なかなかそうはいかないですが…。
 テーマ「戦後70年」には,戦争の記録映像のことが書かれています。テレビ番組でやっていたそうです。米軍の戦闘機にビデオカメラがついていて,空爆を開始するとスイッチが入るようになっていたそうです。沖縄では語り部の方がやめたり,亡くなったりしています。「ますます戦争体験の風化が進むのでは」と心配するSさん。
 「児童図書」で紹介されているのは,次の本です。
・ヴィヴィアナ・マッツァ著『武器より一冊の本をください-マララ・ユスフサイの祈り-』(金の星社)
○『イクバルの闘い-世界一勇気ある少年』(すずき出版)→下記リンクは2019年新装版
・『イクバルと仲間たち-児童労働にたちむかった人々』(小峰書店)
○『ヒットラーのむすめ』(すずき出版)→下記リンクは2018年新装版

 いずれも中学校の図書館で見つけた本だそうです。マララ・ユスフサイさんはノーベル平和賞を受賞した少女ですね。ちゃんと学校図書に新刊として入っていたそうです。また,イクバルくんというのは,少年のときに劣悪な労働環境から逃げ出し,その後,パキスタンの不当な児童労働の実態を告発した男性です。多感な中学生がこのような本を読むと,その後の人生にも何らかの影響がでそうです。○の2冊は,いずれも「海外児童文学-この地球を生きる子どもたち」というシリーズものの本だそうです。子ども向けの図書もバカにはできませんからね。短い時間で読めるというメリットもあります。
 あとは,アスカさんとのお菓子作りのこと。今回いっしょに作ったのは「ピーナツタフィー」というお菓子らしいです。
砂糖とバターのなかに水を入れて加熱して,飴色になったらピーナツを入れるという単純なおやつ(レポより)
です。サークルでも実際に作ってみました。味のことはさっぱり忘れていますが,たぶんおいしかったと思います。

2 「MY BOOK 2015年3月号」B5 2p  H.K
 以下の本を紹介してくれました。
・小原茂巳著『未来の先生たちへ―オバラシゲミの教職講座』(仮説社)
・木下富美子著『教室のたのしい引き出し』(ガリ本)
・小川洋著『空見上げて』(ガリ本)
・小沢俊一著『ニコニコ教室日記』(ガリ本)

 いずれも仮説実験授業の実践者たちのものです。小川さんの本は,このあと,仮説社から単行本として出版されました。仮説関係の本には,このように,ガリ本(自費出版)だったものを再編集し,一般流通品として出版することがよくあります。
 小原さんの本は,明星大学での講義をわかりやすく解説したものです。仮説実験授業が寄って立つ哲学が満載です。
 木下さんの本は,まさにネタ本。授業のネタばかりではなく,初めての自己紹介から保護者会,個人面談まで,幅広く「すぐにまねできる」ことが載っています。
 小川さんは,退職後東京都の新人指導教員を担当するなかで,新人さんに指導していることや感じたことを書いています。これからの先生方にはピッタリの本ですね。もちろん,若い子が横に座っているあなたにもピッタリです。
 小沢さんのは,中学校の美術教師が書いたマンガ本。それだけでも,何が書いてあるのか興味深いです。

3 「カメラレポート2015年3月」A4 2ぺ   H.K
 この頃,一眼レフを手に入れて写真を撮り歩いていたHさん。今月は,兼六園の梅の花の写真を紹介してくれました。写真(3)と写真(4)の違いがわかんないのに「これも紅梅です。少し違った角度で写しています」なんて言われてもねえ~。
 このころはハッキリ言って,「おお~,これはいい」という写真はまだない(^^;) これから上達するんでしたっけ?

4 講演記録「たのしい教師新入門」B5 3ぺ    テープ起こし H.K
 2010年2月,明星大学で行われた講演の記録(一部)です。当時,講演者の小原茂巳さんは,中学校の教員をしながら,木曜日や土曜日に明星大学で非常勤講師として教えていました。その9年めのときの講演です。
 小原さんは,この年,定年を待たずに中学校をやめ,明星大学で本格的に理科教育の講座を持って働くことになりました。そして,今(2021年)があります。
 最初は,「大学で何がやれるの?」と不安だったらしいですが,たのしい授業,仮説実験授業で培ってきたものを活かしていこうと思ったそうです。
僕自身,仮説実験授業と出会って,教師を退職間近までやってきて,僕の中には「たのしく教師をやれたな」という実感があるから,教師生活をたのしくやれるコツを伝えられるなと思いました。(講演記録より)
 小原さんのこの動きは,ほかの仮説実験授業研究会の仲間たちにも広がり,今では全国大会の分科会に「大学教育」なんてのもあるくらいです。新しい動きをつくりだすってたいへんだけど,たのしいだろうな。

5 小原茂巳「理科フロンティア 2年目に入る!(改訂版)」B5 22p  紹介 H.K
 小原さんの講演資料です。小原さんは,栄小という研究校での1年目に仮説実験授業の授業書《もしも原子が見えたなら》を取り上げました。そしてその授業は成功しました。4名の先生方が3年生と4年生で授業をし,どの教室の子どもたちからも歓迎されたそうです。
 で,小原さんがなぜ最初の授業書に《もし原》を取り上げようと思ったのかについては次のように書かれています。
これから先に学習するであろう「科学上のいろいろな概念や法則や事象」に出会ったとき,子どもたちは〈原子・分子のイメージ〉を有効に使って意欲的・積極的に学んでいってくれるに違いないのです。(2ぺ)
《もしも原子が見えたなら》の後に,「さらに他の授業書で本格的な科学の授業がやりたい」という人が出てきたら,そのときは,その先生自身が自主的・自発的に動くことを期待したいのです。(3ぺ)

 通信1月号では,大学の研究者が現場に入るときの軋轢のようなものを書きましたが,小原さんもそこにはとても気を遣っていたんだと思います。まずは,授業をやりたい人にやってもらう。その成果を学校全体に広げ,あとは自主性に任せる。そして,もっとやってみたいという人が出てくるのを待つ。
そのときは,「フロンティア」のワクを超えて,良き友(同士)として相談・応援していきたいです。(3ぺ)
 1月17日の公開授業では,元・新教育長はじめたくさんの先生方,学生が見に来たようです。公開授業は《もしも原子が見えたなら》《三態変化》でした。参加者にも大変好評だったようです。教育長さんの感想も感動的でした。
 さて,その後の栄小を知りたくてググってみました。すると,今でもたのしい理科教育に取り組んでいる様子が紹介されていました。小原さんの姿も見えます。

東京都羽村市立栄小学校HPより

6 「ブログ的気楽レポ・2015年3月号」B5 4p  O.M
 最近読んだ本の紹介と,最後の授業と来年度の算数教育への思いを綴っています。
・佐高信著『不敵のジャーナリスト 筑紫哲也の流儀と思想』(集英社新書)
・半藤一利著『あの戦争と日本人』(Kindle)

 あらま,「珠洲たの通信・2015年1月号」で昨日(2021/01/18)紹介した筑紫哲也と半藤一利の話題がこのレポにも出ているではありませんか。なんという偶然! 笑っちゃうなこりゃ。
 今年度最後の授業で「アルソミトラのたね飛ばし」「東日本大震災」をしたことを紹介しました。さらに,来年度は4年~6年まで《もし原》ではじめるぞと決意しています。また,算数教育の指導法を全校に広める方向性も示していますが…どれくらいやったのだったのかは覚えていません。

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