当日の朝
朝,4時前から目が覚めて仕方ありません。
気になる空は,全天曇り空。
しかし,太陽の出ている方向が分かったので,私はホテルの周りを散策して,日食観測用の場所を調べてみました。すると中庭から観察できそうです。他にも東向きにベランダがつている宴会場があって,そのベランダからでもいけそう…むしろそっちの方が椅子もあったりして便利です。
さっそくフロントでベランダの使用を交渉すると,「今日,宴会場は使っていなので構いませんよ」とのこと。
結局,旧白浜空港の観測会には出かけずに,2階のベランダから観察することにしました。
右の写真は,午前5時30分頃の写真。f5.6,1/2000秒での撮影。このときは,雲の間からしっかり顔を出していた太陽だったのですが…。
焼きもきしながら待っていました
6時15分を過ぎて,そろそろ太陽がかけ始めているはずですが,空は厚い雲に覆われていて,太陽が全く見えません。雲が光っているあたりに太陽があるのだなと想像できる程度の空模様が,30分以上も続きました。
その間,こんな事もあろうかと,せめて気温の測定だけでもしておこうと,気温を記録していました。
6時10分…18.8度…気温を測ること約50分。
そして,午前7時,待ちに待った太陽が,雲の間から顔を出しました(右の写真,f5.6 露出時間1/10,ちょっと露出オーバー)。もうずいぶんとかけている姿です。
持ってきた資料によると,太陽の4割くらいが欠けているようです。
このころから,太陽はほとんど顔を出すようになってきました。こうなると,気温なんてどうでもよくなってきます。
見た! 金環日食
そして,7時25分頃。ついに金環日食の瞬間がやってきました。
太陽の中に月がすっぽりと入った瞬間,ホテルの中庭にいた人たちからも歓声があがりました。
白浜では,7時28分頃にちょうど真ん中あたりに月が来ています。(f5.6,1/50,ちょっと露出オーバー…おしい!)。
双眼鏡でも観測
実は,この金環日食の10分ほど前から,わたしたちの観測しているベランダに若いカップルがやってきていました。この二人は,今日の金環日食のことを知らずにこのホテルに宿泊することを1ヶ月以上前から決めていたといいます。私たちが「金環日食を見るために来た」というと,とても驚いていました。
二人は遮光板も持っていなかったので貸して上げると,感動して見ていました。特に5倍の双眼鏡の威力はとてもすごくて、うちの家族も合わせ5人で回し見していました。この二人は,「すごい!」「きれい!」の連発。そりゃそうでしょうね。
わざわざこれを見るために来ている私たちに,「もしかして写真の専門家ですか?」だって…。
専門家じゃなくても,来たくなるのが天体現象なんだよなあ。ちなみに写真の双眼鏡を覗いている子はうちの娘です。
連続記録写真
6時半頃には半分くらいあきらめたんだったけど,結局,9時前の太陽と月が離れるまでしっかり観測できました。
「南紀白浜で見た金環日食・連続画像」はこちら
尚,最初,私たちも参加しようと思っていた旧白浜空港での観測会の様子はHPにちょっと出ていました。
なんと2000人以上も集まったらしいです。すごい!
超三日月の木漏れ日
約5分間の金環日食が終わって,ふと我に返りました。
「あっ,木漏れ日の観察をしていない!!」
時すでに遅し…金環の映像を見ることはできませんでした。
でも,ベランダから近くの木の影を見ると…ちゃんと超三日月型の木漏れ日がホテルの白い壁に映っていました。これもまた,感動的な風景でした。
少し前までは,木漏れ日で太陽の形が分かるってことは,トレビアものだったと思いますが,今回の日食騒ぎで,この観察方法は結構有名になったんじゃないかと思います。
鏡の反射で
「鏡に日光を反射させて遠くの壁に映すと,日食の様子を見ることができる」という実験もやってみました。
私が観察していたのは,ホテルの2階ベランダです。
この場所から,1辺約6センチの手鏡を使って,中庭にあるプールの壁に反射させてみました。プールには水が入っていませんでしたので,好都合。鏡からは20m以上離れていたと思います。
この像が映っている場所へ行って写真を撮ると,日食像と一緒に記念撮影ができます。「日食像と共に記念撮影する」という方法は,杭州での日食の時にやっていますので,今回はその応用というわけです。
なお,鏡の像は反転されますので,ご注意を。
右の写真は,金環日食が終わって,少しずつ太陽が出てきている時もので,本当は,右上が明るいのです(小さすぎてこの写真ではわかりにくいですね)。
実は私のいたベランダの下はレストランになっていて,みなさん,朝食バイキングの時間でした。それで,プールのところを行ったり来たりする我が娘を見て,不審がっていたようです。プールの壁に太陽が映っているのは,レストランからは見えませんからね。
追記:太陽を撮る練習を
日食観測をする前に,家で何度が太陽を撮る練習をしました。
私の持っているNikonD5100は「太陽撮影用フィルター」をつけて撮影すると,自動ではピントが合いませんでした。感度や絞り,露出などを自分で調節する必要があるのです。一応の目安の数値は,「太陽撮影用フィルター」に付いていた説明書にも書いてありましたが,その通りやってもうまくいきませんでした。明るすぎたり暗すぎたりするのです。
太陽高度が低いと光は弱いし,雲がかかると,当然,光は弱くなります。
それで,観測時には,感度と絞りを決めておいて,露出時間(シャッタースピード)だけを変えながら撮ってみました。
結論から言えば,金環の時はもっと露出時間を短くすればよかったです。光が入りすぎて,ややぼやっとした画像になったからです。
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