南紀白浜で見た金環日食(2012.5.21)

空・宙・天

 2012年5月21日,待ちに待った日=日本で金環日食が見られる日です。
 この日のために,いろいろと準備をしてきました。
 全校の子どもたちにも簡単な指導をしました。
 そして,私は和歌山県白浜まで出かけることにしました。

「南紀白浜で見た金環日食・連続画像」はこちら


前回の杭州の日食観察

 前回,2009年7月に中国・杭州で見た皆既日食の時には,
「重装備で行って,結局、雨だった、というのもバカみたい」
「世界遺産巡りも付いているツアーで行けば,ドッチに転んでもシメタだな」
なんて思いながら,夫婦でのツアー参加でした。
 こんな意識だから,写真を撮るための持ち物と言えば,
 ① いわゆるデジカメ 
 ② ミニ三脚 
 ③ 遮光板
の3つでした。こんな装備でしっかり撮影できるはずがありません。このときは目で見ることを優先しての観測でした。
 他に持っていったのは,鏡くらい。鏡は大活躍しました。
 杭州の時のことは,以前まとめたものが本HPにあるので,詳しくは,それを見てください。

 今回準備したもの

  今回は「日本で見られる」というので自家用車で行けます。持っていこうなら,望遠鏡も持って行けます。でも望遠鏡は止めました。なぜなら,追尾するのが大変だからです。学校に,追尾できるような望遠鏡があればいいなと思います。自分で買うといくら位するのかな。日食観測だけのためにそこまで出費する気は,今のところないけど。
 今回準備していったモノは以下の通り。
 ① ふつうのデジカメ2台
 ② ミニ三脚
 ③ ホームセンターで購入した遮光板(3枚)
 ④ 鏡
 ⑤ 太陽観測用の双眼鏡(5倍のやつ)
 ⑥ 一眼レフデジタルカメラ+300mm望遠レンズ(NikonD5100)
 ⑦ 太陽撮影用フィルター(ND100000)
 ⑧ 普通のカメラ用三脚      このほかにも鞄には方位磁石が付いています
 太陽の姿を写真に写そう!と思ったのでした。
 一眼レフは、これを機会に購入。カメラ自体は,他にも使い道があるのでOK(娘の結婚式を理由に購入したんです(^^♪)
 太陽観測専用のものと言えば,太陽撮影用フィルターと5倍の双眼鏡ですが,太陽撮影用フィルターが約7000円,5倍の双眼鏡は2980円でした。双眼鏡は,同じものが日食後には2100円(アマゾン)で売っていました。余っているんでしょうね。
 というわけで,日食観測のための出費は約1万円ってことになります。

どこで見るか

 さて,これをどこで見るか-です。
 最初から,学校の子どもたちと見るつもりはなく,出かけるつもりでいました。
 で,1ヶ月前までは,東京のあたりで適当な場所はないかと探していました。能登から飛行機で1時間で行けるし,宿も娘のところがあるからです。京都にも娘がいるけどちょっと金環がきれいな円には見えません。長野にも娘がいるけど,ここは金沢よりちょっとだけ多く欠けて見えるだけ。…それにしても娘が多いなあ,うちの子どもは…。

 しかし,一番の心配が「天気が悪かったらどうしよう」ということです。
 「飛行機は予約しました…しかし、東京は雨だと予報されています…それでも出かけますか?…」となる可能性も否定できません。これじゃあ,あまりにもむなしい…。
 ここは日本。
「ある程度の自由がきくのだから,その自由度を残しておいた方がいい」
と判断した私は,西日本方面に自家用車で出かけることにしました。「車中泊でもいい。天気のいいところに行こう」と決めたのです。

 京都にいる娘も「大学の先生がこの日の講義には出なくていい。日食を見ていろ」と言ったとか言わないとかで,私たちと行動する気満々。そういうわけで,京都を経由して,和歌山方面か名古屋方面に行くことに決めて,天気予報を注視していました。
 日本気象協会が上のような天気図を発表していました。1日に数回,この天気図が変更されています。

南紀地方に決定

 私は,この天気図とピンポイントの天気予報を見ながら,観測場所を「和歌山県田辺市以南」にすることに決め,宿を探すことにしました。
 これが18日(金)のことです。
 楽天トラベルには,まだいくつかの宿が引っかかってきました。
 その中で,割と高速道路の終点から近く,海も見えるし(まだ観光するつもり(^^;),日食観測にも適しているであろう場所に建っているホテルを予約したのでした。
 ただ,宿を予約してしまっってから,白浜の天気予報が,「曇り時々晴れ」から「曇り」になってきたのが気になっていました。でも,宿を取っちゃったので,取りあえず白浜に向かうしかありません。もしもっと天気が悪くなるようであれば,朝早く,別の場所に移動すればいいのです。

前日の夕方

 千畳敷や三段壁という景勝(観光地)を見て,山の上にある「ホテルグリーンヒル白浜」へ。
 このホテルを選んだのは,西側が海に面していて,夕日を見ることができる露天風呂があることと,この近くに旧白浜空港跡地があって,そこで日食の日に観察会が行われる予定があったからです(ネットで見つけた)。それに,山の上なら,他に遮るものがないので,もしかしたらホテルの中庭からでも直接日食の観察ができるかもしれない…とも思ったからです。
 しかし,先にも書いたように,夕方は小雨がぱらついていて夕日を見ることができませんでした。日没の時間を調べてお風呂に入ったのは初めてだったのに…。
 早めの夕食をいただいて,就寝。
 明日の天気予報はあまりよくない…とのこと。

千畳敷で
コマーシャルのチラシ

お誘いも

 そうそう,ホテルについてから能登町の天文台「満天星」の職員さんから電話がありました。
「明日,朝から観察会をやるので来ませんか?」
というお誘いです。

「実は…」
と話そうとすると,私が言う前から…
「先生,もしかして,どこかに出かけていますか?」
と,鋭い突っ込み。
「そう,和歌山県の白浜に来ています。明日,曇りの予報なんです。」
「じゃあ,観光でもして帰ってきてください。」
だって…。
「そちらの天文台で撮影した写真なんかを,また,分けてください。」
とお願いしたのでした。

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