今世紀最大の皆既日食を見たい! - 「上海・蘇州・杭州の旅」に賭けてみた
2009年7月22日,日本でも皆既日食が見られる。できれば見てきたいが,悪石島というところまで出かけるにはちょっと面倒な手続きが多そう。それで,半分諦めかけていたところ,地元『北國新聞』に「皆既日食ツアー」の募集があるではないか。それも地元の小松空港から上海空港までの直通便で行けばいいだけ。もしも見られないときのために,ちゃんと他の観光ツアーもついている。
これを逃しては一生の不覚。
翌日さっそくペアで申し込んだ。10年前に作ったパスポートは既にきれていたので追加でお金はかかるのだが,「今世紀最大」という言葉に負けてしまった。
出発日は,7月20日。1学期が終わってすぐに出発だ。
それにしても国内の島に行くよりも外国に行く方が便利だなんて,日本の田舎もすごい時代になったわけだ。
スイス・フィルストで日食観察
前回,皆既に近い日食を見たのはスイスの山だった。このときは,皆既日食よりも観光を優先させたので,スイスの山で見ることにしたのだ。このときの記録もサークル向け資料にちょっとだけ書いたので,興味のある人は読んで欲しい。
杭州での日食時刻
出発前,杭州での日食の時刻や天気予報を調べてみた。
中国語の「7.22哪里能看见日全食——中国天气」というサイトで,いろいろ調べることができた。(このサイトはいつまであるのか分かりませんが,一応,リンクしておきます.)
まずは,日食の時刻。
観測場所の杭州では,
日食開始 8時21分26秒
皆既日食開始 9時34分16秒
皆既日食終了 9時39分35秒(ダイヤモンドリングを「生光」と書いてある…多分)
日食終了 10時59分23秒
そして皆既日食の時間が,5分19秒ということもわかった。結構長い時間皆既状態が続くのだ!
杭州の天気予報…「雷降雨」
一番気になるのが当日の天候。
出発1週間ほど前からサイトを渡り歩いているのだが,杭州の予報は,「多云」とか「雷降雨」という文字が多い。南の方には台風6号も来ているという。中国の台風はどのように進むのか知らないので,ちょっと気になる。
ただ,中国では今日と明日と明後日の3日間しか天気予報を出さないそうなので,それ以後の予報はかなりいい加減らしい。
淡い期待を持ちながら,出発当日の天候を見ると…
「雷降雨」
とある。ネット上の翻訳辞書で日本語に翻訳してみると「夕立ち」という意味らしい。
それなら午前中は何とか大丈夫かも。
雲があっても,かえって写真を撮りやすい。これはスイスでも確認済み。
「皆既日食ツアー」に出発!
7月20日
小松空港で集合。「今世紀最大の皆既日食観測上海蘇州杭州の旅」ツアーが始まった。
ツアーの参加者は43名。家族連れや一人旅,夫婦連れの人達。やや高齢の人もいたのがちょっと心配。
いよいよ当日…朝はどんより曇っていた
前日のバスの中で,バスガイドの曲さんが,「明日の天気は,午前中は曇。午後は土砂降りのようです」と紹介。みんなちょっと気を落として就寝。
そして当日の朝
ホテルの部屋の窓から見る風景は,昨日の予報どおり曇。
6時50分を過ぎているというのに,太陽の姿が見えない。もしやと思って,持っていた方位磁石で調べてみる私の部屋の窓は西の方向をむいている。
ちょっと一安心。
宿泊したホテルは「杭州華美達酒店」。
右上の写真の向こうに見える大きな川は,銭塘江(せんとうこう)という川。
この川は海嘯(かいしょう:大潮の時に海水が逆流してくること)で有名な川。日食と同時に,この海嘯を見るツアーもあったらしい。しかも小松発で…これは後から知ったことだけど。
右下の写真は,7月21日の夜,ホテルのテレビで海嘯の説明をしていたところを撮ったもの。なかなか迫力のある映像だった。
以前,「NHK特集」でも番組をやったことがあるらしい。
これも帰ってきてから調べたことだけど。
NHK特集「大海嘯~中国 銭塘江の逆流~」
午前7時57分頃
朝食を終えて,8時前,ホテルの外に出て東の空を見てみた。
すると写真のような太陽が出ていた。
日食グラスでみると,ちゃんと丸い太陽が写っていた。
あとはなるべく雲が晴れてくれるのを祈るだけ。
写真には,ちょうど鳥も写っている。
観察地に向かう
午前8時15分頃
ホテルから歩いて3分ほどの場所にある,芝生のある空き地に到着。
みんな思い思いの場所に陣取り,日食観察のための用意を始めた。
日食開始まで,あと5分くらいだ。
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