珠洲たの通信・1995年11月号

 12月に入り,なんとなくあわただしくなってきたように感じます。「忘年会」の季節なので,それにちなんで永六輔著『もっとしっかり,日本人』(NHK出版,1993)より,少し引用してみます。

皆さんの忘年会がとっても楽しくて,でも楽しい中で忘れてはいけないものを確認していく,政治・経済,あるいは世の中,世界のあらゆる情報の中から忘れてはいけないものを確認する忘年会。そして新しい年を迎える。さっぱりした気持ちになった時でも,忘れないものを引きずっていく。この「引きずっていく努力」をしなければいけないと思います。もう1回いいます。「忘年」-年を忘れるのではなくて,その年に起きたことを忘れない会。それを私は「忘年会」といういい方にして,新しい年を迎えたいと思います。 (「忘年会ってなんだ」より)

永六輔著『もっとしっかり,日本人』(NHK出版,1993)

 さて,今年起きたことで,忘れてはいけない事ってなんでしょうか。人それぞれ違うと思いますが,これを機会に振り返ってみるのもいいかも知れませんね。
 話は変わりますが,SさんとMさんとHさんが大阪の四條畷学園の発表会へ行って来た“成果?”として,何と,四国の新居信正さんが珠洲に来てくださることになりました。もう日にちも決まっていまして,来年の3月2日~3日です。
 この会について,すこし,大ざっぱなことを書いておきます。絶対,この日は明けておいてください。
 まだまだ,案の段階ですが,ちょっと青写真を示してみます。

  -----新居信正独(毒)演会INのと-----
       -仮説実験授業と算数教育-
日 時 1996年3月2日(土)午後2時~3月3日(日)午後1時
日 程
 ●3月2日(土)
 ・3時間めか4時間め 新居さんの飛び入り公開授業(小学校5年生)
 ・午後2時~午後6時 講座A
 ・午後8時~     ナイター,資料発表
 ●3月3日(日)
 ・午前9時~午後1時 講座B
場 所 のと勤プラ
参加費 5000円
宿泊費 8200円(1泊2食付)
定 員 30名(宿泊15名)

 とんとん拍子に話が進んだので,会の持ち方や内容どころか,タイトルさえもまだ決定していませんが,「3月の第1土日に新居さんが珠洲に来る」ことだけは確定していますので,回りの皆さんにも伝えてください。

■11月の例会参加者(5名)
R.I(七尾市A中)  K.H(珠洲市M中)  H.H(珠洲市H小)  M.T(内浦町O中)  M.O(珠洲市K小)

資料紹介

1.「理科学習指導案<三態変化>」  2ぺ  R.I
 中学校1年生の指導案です。指導主事訪問用だそうです。
 「指導にあたって」のところで「仮説実験授業」という言葉をどうどうと出しているので,指導主事の先生がどんな反応を示すか楽しみです。いまだに「教科書の配列とは違う」なんて,つまらんことは言わんだろうとは思うのですが…。
 仮説社から『三態変化の現象』というビデオを借りたらしいです。ボクは,まだこのビデオを見たことはありません。ぜひ一度見てみたいものです。
 Iさんはこの授業の前に《もしも原子がみえたなら》をやっているので,それが,どのように子どもたちの意見や感想に反映するかも楽しみです。その辺も今度まとめてもらえたらと思います。

2.「食生活を考えよう」  4ぺ  M.O
 県の教文部長から頼まれて,「中学生学習帳」編集委員を引き受けています。任期は3年。
 この「中学生学習帳」は,中学校3年間通して<学活や道徳の時間にでも利用してもらおう>という目的で作成しているものです。分野は,環境・人権・平和に分かれています。ボクが担当している部会は「環境部会」で,「食品公害について」が与えられたテーマです。
 食品添加物の話を主としてまとめてみました。仮説の授業書に《食べもの,飲みもの,なんの色?》というものがあります。その中のお話を引用しました。仮説社には掲載許可を取るために手紙を出したのですが,まだ返事が来ません(その後,許可を頂きました)。
 あとで,県教組に聞いたところ「引用した文献の掲載等に関しては,県で,まとめて出版社にお願いする」そうです。これで,一安心。

3.「文部省著作教科書『民主主義』(復刻版)を読んで」   8ぺ  M.O
 文部省が戦後すぐに作った『民主主義』という教科書の復刻版がでました。その本の紹介です。
 「多数決の横暴」やら「宣伝によって国民を欺く方法」やら,うわべだけでない,本当の民主主義とは何かが,多方面から,突っ込んで分かりやすく書かれています。仮説実験的な考え方も示されており,大変興味を持って読みました。ぜひ1冊お手元にどうぞ。
 レポートには引用しなかった部分から,ちょっとだけ紹介しましょう。

 なるほど,民族や国家は大切なものである。しかし,民族のひとりひとりが栄えないで,どこに民族全体の繁栄がありえようか。国民のすべてを犠牲にして,どうして国全体が発展する余地があるであろうか。民族や国家の繁栄といっ ても,その民族や国家に属するすべての個人の繁栄以外にはありえないはずなのである。それなのに,個人の尊さを否定して,社会全体を絶対に尊いものだと教えこむのは,独裁主義のからくり以外の何ものでもない。
 独裁者は,国民にそういうことを教えこんで,国民が犠牲をいとわないようにしむける。そうして,これは民族のためだ,国家のためだといって,「滅私奉公」の政策を強要する。    

 「第8章 社会生活における民主主義」

4.『自ら考えはたらきかける理科学習』  12ぺ  M.T
 今年度の県教研理科分科会に珠洲代表として出席したときのレポートです。Mさんは初めて県教研に出席したそうで,いろいろと刺激を受けたといっていました。
 レポートの内容は,副題に「地域を生かした教材づくり」とあるように,海の近くという地の利を生かして,「海そうの体のつくり」を調べたものです。
 ボクは,「海そう」には,「海草」と「海藻」の2種類あることを初めて知りました。

 このほか四條畷学園の発表会の話や,北ブロ青年部での話(学校5日制完全実施に向けて合科が進められていくだろう)などがありました。
 なお,12月の例会後,忘年会をします。場所は「のと勤プラ・炉端」です。時間は午後6時から。宿泊される方は,12月13日(水)までに,Oまで連絡してください。資料発表の続きや授業のビデオなどありましたら,ご持参ください。宿泊補助券もお忘れなく。

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