珠洲たの通信・2020年8月号

2020年度

 8つの小学校の「生き物観察会」が終わりました。8月下旬から10日間,とても慌ただしい日々でした。「観察会」はあと1校を残すのみ。それも今月末なので,気候も,老体に堪えるほどではないでしょう。
 さて,例年ならお祭りの準備などで土日がすべて潰れてしまうんですが,今年は全くないのでとても暇です。まあ「60才になったら曳山からも引退する」と地区仲間には言っていたので,どのみち,こういう日々だったかも知れません。
 例年ならパスする8月のサークル。今年は全国大会も刈谷のフェスティバルもないということで体験をメインとしたサークルを開くことにしました。久しぶりのメンバーや新しいメンバーも来てくれて,より楽しいひとときとなりました。
 HさんとWさんから感想が届いていますので紹介します。

どの活動も楽しく,知的好奇心が掻き立てられました。
それでいて,かしこくなりました。
こんな授業をできるようになりたいなと,参加するたびに思います。
息子も,家に帰って見つけたチリメンを嬉しそうに皆に見せていました。
楽しかったようです。
また,よろしくお願いします。              (H)

チリモンが面白かったです。
他にも,知らなかったことを知れて,得した気分でした。
本も読まなきゃなと思いました。             (W)

今月取り上げた本・グッズ

《1と0》掲載本

■8月の例会の参加者(9名)
 M.K  K.H  T.N  M.S  M.O  R.H  M.W(初) お子さん2

体験コーナーの紹介

1 「チリモンを探せ!」     M.S
 仮説社からチリメンモンスターに関する本が出たのをきっかけに,10年前にやった「チリメンモンスターを探せ」をやってみました。チリモン,それを貼り付ける台紙などの準備はすべてSさんがやってくれました。ありがとうございました。
 この体験,10年ぶりの人が4人,初めての人が3人でした。2人のお子さんも,いろんな形のミニミニ生物に興味を持ったみたいで,一緒に探していました。レアもののタツノオトシゴがすぐに見つかったのにはビックリ。イカとタコの違いもなんとなくわかるようになりました。カニの赤ちゃんのゾエアやメガロパも見分けられるようになりました。そうそうワレカラもいましたね。

2 授業書体験《1と0》    M.O
 一昨年6年生を担任したときに最後に授業をしようと思って印刷してあった《1と0》の授業書。卒業式を前に,いろんなことが予定通り進まずに結局授業をすることができませんでした。そこで残っていたプリントを使って授業書体験をしました。体験したのは第1部と第2部の途中までです。第1部は「1とはなにか」ということを考えてもらうものです。とても哲学的・数学的な内容で,わたしは大好きです。どこかで,第2部~第3部もやれたらいいですね。

3 骨振動体験         M.S
 サイエンスシアター(以前,金工大で開いた講座)で学んだネタを持ってきてくれました。金属製品に糸をくくりつけて,その糸の端を指に巻き,直接耳の穴に突っ込んで,その金属をたたくとどんな音がするでしょうか。これ,体験してみるとビックリですね。ほんとにビックリです。この体験だけだと,なんとなく見世物っぽくなりますが,これは振動を教えるプランの一部です。しっかり学習したい方は,板倉聖宣著『サイエンスシアターシリーズ・音と振動のなぞ』(板倉研究室刊,1997年発行)をご覧ください。 

資料の紹介

1 「Harf Moon~2学期へ臨むエネルギー」 B5 4P    T.N
 すっかり定番になってきた「Moonレポート」です。
 今月のメインは,理科に関するアンケート調査でしょう。学期末,Nさんが理科を担当している高学年(4年生~6年生)に対して「理科の授業はどうだったか」というアンケートを採ったところ,全学年で肯定的意見が100%だったそうです。これはすばらしい理科専科としての成果ですね。
 Nさんが書かれた各学年の「振り返り」を引用します。
4年生…この学級との理科は初めてなので,特に力を入れました。通知表渡しの時にS君の保護者から,「理科が楽しいとよく言っている」と教えてもらいました。それだけでも仮説実験授業をした甲斐があったと思いました。
5年生…討論に1番時間をかけた学年でした。
6年生…もっといろいろなことをさせてあげたかった…。教科書のテストに合わせるのが面倒でした。

 6年生のある子の感想に「先生の代わりをやってみたい。理科の授業をしてみたい」というのがありました。これはたいへん面白い意見ですね。まるで大学の教育学部の授業みたいです(小原さんの文章には明星大学での模擬授業の様子が出てきます)。ぜひ,その子の意見をかなえてあげて欲しいです。そして,授業記録や子どもたちの感想を採ってみてください。きっと,教師役の子はドキドキしながら楽しんでくれることでしょう。児童でも授業運営法さえ身につければ授業を進めることができる。それは〈仮説実験授業の授業運営法が科学的なものであること〉の証明でもあります。後に続く子どもたちが出てくるかも知れませんね。

2 「珠洲たのレポート8月号」 B5  4p  K.H
 今月も読んだ本やCDを紹介してくれました。
●小原茂已・山路敏英著『たのきょう 5号』(ガリ本,1000円)
●板倉聖宣著『新哲学入門』(仮説社,1800円+税)
●板倉聖宣著『なぜ学ぶのか』(仮説社,2020年,1200円+税)
●たのしい授業編集委員会編『学級担任ハンドブック』(仮説社,1900円+税)
●苫野一徳著『ほんとうの道徳』(トランスビュー,1600円+税)
●井上雅彦著『発達障害&グレーゾーン小学生の育て方』(すばる舎,1600円+税)
●斉藤孝著『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社,1429円+税)
●恩田陸著『夜のピクニック』(新潮文庫,710円+税)
○ドリカム『THE DREAM QUEST』(2327円)
○いきものがかり『超いきものばかり(三枚組』(2646円)
 ずいぶんたくさんの本を紹介してくれました。ありがたいです。上の4冊は,『たのしい授業』と板倉先生関連本です。『学級担任ハンドブック』はぜひ学校の机のそばに置いておきたい一冊です。「何か起きたとき」に慌てて読むのではなく,普段からパラパラ目を通しておくことで,何か起きたときに「あ,確かあそこに似たことが書いてあったかも」と参考にできると思います。板倉先生の本は,教育原理・人間の思考法に関するモノです。これは自分の教育観を確固としたものにするためにも読んでいただきたいです。なんど読んでも発見があります。

3 「喃々レポ2020年7月号」 A5   4p  M.O
 今月は「ナンバープレート」の話題と『蜜蜂と遠雷』などの感想をまとめてきました。
 この「ナンバープレート」の話を『たのしい授業』「はみだしたの」用に送ったので,来月くらいには取り上げられるかも知れません(取り上げられました)。これをきっかけにナンバープレートのことも調べてみました。ある理由から使われない「ひらがな」や番号「○○-○○」もあるそうです。それは何かを考えてみるのも面白いかも。語呂合わせって日本的なのでしょうか。

4 「日本語の語順について」 A5   9p      M.O
 以前,口頭で少し話したところ「ぜひエキスを紹介して」とお願いされたのをきっかけに,本多勝一著『日本語の作文技術』を再読して,みなさんが知っておいた方がいいと思われる「作文技術」を少しだけ紹介しました。一応,問題形式にしてみましたが,どうでしたでしょうか。続きは来月に紹介します。

5 「子どもが指で計算するのはなぜ」  お話・体験  M.S
 足し算・引き算をするときに自分の指を使って計算する子がいます。そんな子に「指を使ってはいけません」というだけでいいのでしょうか? その子はなぜ指を使わざるを得ないのか。それは数字を〈あるまとまり〉と考えられないから。その子にとっての数字は〈順序数〉の意味しかないのです。こういう子どもの状態を教師が体験する方法を教えてくれました。研究会の坪郷さんがやっていらしたそうです。

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