珠洲たの通信・2020年6月号

 Hさんからお借りした五木寛之著『大河の一滴』を読みました。本書は1998年発行で当時はベストセラーになりました。20年前の本ですが,今読んでも考えさせられる本でした。また『たのしい授業・2020年7月号』には,根本巌さんの文章(いくつか載っていましたが,そのうち)「今こそ〈時代の変わり目〉なのか」が面白かったです。内容は授業書《日本歴史入門》について書かれていますが,これまた,今だからこそ,もう一度読んでみたい授業書だと思いました。普遍的なものは,いつ読んでも考えさせられるし,未来に応用できるなあと思います。今月の『たのしい授業』には,ほかにも考えさせられる文章がいっぱいありました。次回のサークルで感想を出し合いましょう。
 さて,6月の例会は顔合わせで行いました。話題も多岐にわたり,公民館には迷惑をかけました。ちゃんと5時半までには出て,喫茶店に移動することが大切ですね。反省(..)_

今月話題の本

■6月の例会の参加者
 M.K , K.H , T.N , M.S , M.S , M.O

資料の紹介

1 「Harf Moon~コロナでもしめた」 B5 2P   T.N
 コロナで休校になる中,学校やサークルで積極的にオンラインの可能性について研究し,行動してきたNさんですが,そのときの体験談を項目毎にまとめてくれました。その一部は『たのしい授業』(仮説社)の6月号と7月号に岡山の岡崎則武さんが「未来への扉は開かれました」で書いているので,読んでみてください。その一翼を担ったということです。
 学校での取り組みも先駆的でしたね。
 特筆すべきは,中一夫さんの「語り場」にネットで参加したときに,自分の学校での実践を報告する場所をもうけてくれたということです。その後,LINEの「たのじゅ石川」のメンバーとも,時々ZOOMサークルをやっているようです。このようにして,広く,お互いの実践を交流できる場が増えているというのは,まさに「コロナでもしめた」ということでしょうね。これからがますます楽しみです。
 また,学校再開後の理科についてもまとめてきました。
 1ヶ月間以上も,やったようなやらなかったような学習内容の処理ペースなので,学校が再開してからは,授業書をやるよりも教科書の遅れを取り戻すのが先のような気がしますが…。さて,教師はそんな気持ちでいいのでしょうか?
 それを教師に教えてくれたのがSくんでした。彼は,教科書で進めていると「つまらん」の一言。教科書の授業だってそれなりに教材研究をして工夫はしているんですがね…。彼は変に先生に合わせようとはしない子なのです。たのしい授業を知ってしまったからこそ,「もっとちゃんとやってくれ!」という要求が出てくるんだと思います。こういう敏感な子がいてくれると,道を外れかけた(子どもよりも,教科書を大切にしたり,進度を優先したり,同僚を大切にしたりすること)教師の軌道修正をしてくれるので,ありがたいですね。優等生ばかりじゃ,教師は成長しませんね。優等生は,つまらん授業でもついてきますからね。

2 「主体的にまねする楽しさ」 B5 4p     M.S
 主体的にまねをしたものとは…小松サークルのY.Sさんが紹介していた「スクラッチアート」を早速やってみたそうです。子どもたちは,Sさんの予想通りとても大喜びしてくれたとか。しかもすごい集中力だったといいます。たったの100円で4枚も入っているのですから,お得感もあります。実はわたしもダイソーで実物を見たのですが,自分だけでやってみる気にもならずに,たったの100円をケチりました。与えてみたくなる子どもがいるのといないのとでは,自分の好奇心にも影響するんだと,ダイソーで思った次第です。
 もう一つまねしたことは,『たのしい授業・6月号』に載っていたリビングゴルフ。これは山路さんが孫と遊ぶために工夫したという記事でした。身近な捨てるものですぐに作れて,応用も利くような遊びですね。障害物などを置けば,本物のゴルフに近くなります。
 さらに「折り染めを使ったマスクケース」です。これはかわいかったですね。イヤー本当にかわいかったです。子どもたちみんながマスクを持っているからこそできる「すぐに使えるものづくり」ですからね。こんなものづくりの情報がすぐに流れるあたりが,うちらの研究会っぽいですね。この〈折り初め〉については,未経験者だったSAさんが,SUさんと一緒に,サークルの後でやってみたそうです。写真がFBで流れてきたので載せておきますね(タイトルの写真↑)。SAさん,折り初めをやってみた感想は,どうでしたか? あとで「オレもやりたかった」という要望もあったそうです。主体的に声を出しましょう!!
 他には「8秒間走」。今までにもサークルで紹介したことがあります。低学年でやったことはなかったので,低学年でもできるんだ~って思いました。体育館なら,少しずつスタート地点を後ろにできるからいいですね。
 「ひらがな練習プリント」(横浜:横山さん作)は,とても使い勝手がいいようです。本物を見ることができなかったので,次回,持ってきてくださいな。
 〈主体的にまねをする〉という言葉は,聞き慣れない人にとっては「???」です。だって,ふつうは〈主体的〉という言葉は〈創造的〉という言葉と結びつきます。〈人まね〉という言葉からは,〈従属的〉〈迎合的〉という雰囲気があります。がしかし,われらたのしい授業学派は,〈いい実践をまねできることこそ,主体性の表れである〉と考えます。自分の我を捨てて,他人が作ったものであってもいいと思ったもの(=自分の感性に合ったもの)をどんどんを取り入れる。そういう主体的な考え方を持った教師だからこそ,子どもたちにいいものを与えて上げられるのです。
 「わくわく」の時間には《足はなんぼん?》を始めたそうです。子どもたちがどんな反応を示してくれるのか,楽しみだなあ。
 気づいてみればまわりじゅう若者。そんな職場で,エネルギッシュな若者たちの姿を見て感心しているSさん。お互いに影響を受けたり与えたりしながら,たのしい職場を作っていければいいですね。ただ,管理職が余計なことをすると,職員の目の輝きはすぐに曇ってきますが…。

3 「喃々レポ2020年6月号」 A5   12p      M.O
 この1ヶ月,なんとなく毎日のように〈用事〉があってけっこう忙しい日々が続きました。ま,これらの〈用事〉は自分で作っているんですが。そんな中でまとめたレポです。
 まず,珠洲市内の小学校で行われている「生き物観察会」について,私の感想をまとめてきました。小学校は9校あるので,これだけで少なくとも9日間は〈用事がある〉ことになります。観察場所によって捕獲される生き物が違うのは当たり前ですが,これだけいろんな場所(各校2カ所ずつ)を回っていると,「本当に生活環境によって違うんだ」と納得します。不思議だなあ。
 他には「東京の4月の死亡者が例年より1000人以上多い」という記事を見つけて,「カウントされていないコロナ関連死があるのではないか」ということを考えてみた…というはなし。その後,どうなっているのか…。ここでは,これらの事実そのものよりも,本当の処はよく分かっていないことに対してマスコミ発表や政府の見解を簡単に信じてしまうことの怖さを書いてみました。過去の出来事を現在から見て「だまされるなんて馬鹿だな」と言っている場合ではないのではないか。〈過去から学ぶ〉というのは,〈今の社会をどう見るか〉ということにつながっているはずだという主張です。
 今月の本棚には,感染症がらみで読んだ本を5冊紹介しました。特にボッカッチョ著『デカメロン』は,感染症がはやり,しかも退職した今だからこそ読んだ本だなと思います。そうじゃないと,一生手に取らない本ですね。

4 「外来種について考えるための本」 A5   4p    M.O
 別冊として,「外来種について考えるための本」というのをまとめてきました。いつもなら,本の紹介をするときには自分のブクログに書いたレビューを転載するだけなのですが,今回は,もう少し本文などを引用して付け加えてみました。
 レポートにも書きましたが,これらの本は,買ったものではなく図書館からお借りしたものです。ですから,気になった文章に付箋をつけて本棚に戻すということはできなくて,後で必要になりそうな文章は,いちいちパソコンに入力したり,ページをコピーしなければなりません。そのため,とてもたくさんの時間がかかりました。もう一度読むかどうかわかんないのにコピーをとったり入力したりというのは,ちょっと面倒ですね。板倉さんは「本は買うものだ」と言っていらっしゃいましたが,確かにそうだと思います。

5 「珠洲たのレポート2020年6月号」 B5   2p   K.H
 今月は5冊の本を紹介してくれました。
○泉嗣彦著『医師がすすめるウオーキング』(集英社新書)
○恩田陸著『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)
○住野よる著『君の膵臓をたべたい』(双葉文庫)
○五木寛之著『大河の一滴』(幻冬舎)
○「たのしい授業」編集委員会編『学級担任の定番メニュー』(仮説社)
 『蜜蜂と遠雷』の紹介でとても興味を持ったのでお借りしたのですが,まだ読んでいません(^^;)。サークルにもすでに読んだ方がいて「読み終わるのがもったいなかった」と言っていました。そんな本に出会ったことないなあ。いつも「はやくはやく」と読んでしまっている自分のこれまでの読書姿勢を反省しました。ホンに申し訳ない。あやまれ!
 『学級担任の定番メニュー』(仮説社)で出ていたレインボーストリーマーという手品を,実際にやってくれました。が,しかし,そこは…。結局,他のメンバーがやってくれました。あははは…

 ほかにも,〈見れども見えず〉を参考にして,稲の種を予想してもらった,ペットボトルで稲作りをしているという話題(SA),カードゲーム「もじぴったん」の紹介(K)もありました。
 このカードゲームについては,KさんのFBから転載して紹介します。
≪大人気≫仮説社のHPで買いました「もじぴったん」,特別支援の子どもたちにも大好評です。「このプリント,終わったらやろうか」「わーい」です。支援のぼくらもマジになってしまうし,「あうん」や「つくね」「テロ」「コロナ」…など,「へー。この子,そんな言葉,知ってるんだぁ…」と,その子の語彙の広がりに気づかされたりもします。

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