珠洲たの通信・2006年10月号

2006年度

 文化の秋も,だいぶん寒くなってきましたね。あと一月ほどで2学期も終わりかと思うとちょっと焦ったりもしています。
 このあと2学期中に,県の理科大会と視聴覚大会を見てきます。せっかく出かけるのですから,何か一つでも得るものがあればと思っています。視聴覚大会では,「グーグル・アース」というソフトを使った小学校の先生の発表を聞いてきますね。「グーグル・アース」は,ちょっと気になっているソフトなのです。詳しくは,来週の視聴覚大会で聞いた後,自分でいろいろためしてから,12月のサークルで紹介しますね。
 10月のサークルは,第2土曜日になってしまい,参加できない人もいて申し訳ありませんでした。それでも,時間が足りなくなるくらいたくさんお話しできて,とっても満足でした。

■10月の例会の参加者
K.Y(NYSB)  M.T(NYSB)  R.H(N町Y小)  M.O(S市S小)

今月の写真

資料の紹介

1.「10までの道のり」 B5  2ぺ  M.S
 1から5の数と量をとらえることができて,足し算もできるようになった2人に対する次の課題は「10までの数と量」の認識です。ここでも,Sさんは,自作のタイルや「カバータイル」のようなものを準備して,5より大きい数をつかませようとしています。
 これまでのたくさんの自作教具を見るていると,
「予想→教具を作る→実践する→子どもの反応をみる→反省する→予想変更する→教具を作る」
というような一連の作業が行われているのだなあと感心します。
 普通の学級でもこうでなくっちゃいけないのでしょうけれどね。

2.「自閉症児 太郎との毎日」 A4  1ぺ  K.Y
 「おしっこ」という言葉を言えるけど,それが,「おしっこをしたい」という気持ちだけを表すものではない…さて,どうしたものか…。
 どうも,<「今のいやな状況から逃れたい」と思ったときに「おしっこ」といえばいいのだ>ということを太郎は学んだらしいのです。ですから,どの「おしっこ」が本当のおしっこなのかわかんないので,けっきょく排尿は「定時排尿」ということに…。ん~,むずかしいですね。でも,自分で状況から学び,その言葉を発することで自分を有利に働かせようとできるということは,太郎君の成長でもあるのでしょうね。
もっとたくさんの言葉や数についての認識をもってほしいとこちらの焦りがあると思います。太郎の実態にあった(興味や関心のある)教材を見つけたれたらと考える日々です。
 あせらず,でも,可能性を信じて実践していくしかないんでしょうね。
 討議の中では,「自閉症なのに」「自閉症だから」といえるような「自閉症」としての一般的な症状ってどこまでなのかという話が出ました。何人もの自閉症の子とつき合ったわけではないので,数例を見ただけで一般化するのは,かえって危険なのかも知れません。

3.『第4学年 国語科学習指導案』 A4  3ぺ   R.H
 4年生,国語の指導案を持ってきてくれました。教材は「接続語」。「だから」と「しかし」の働きを勉強するのがメイン。
 「だから」と「しかし」という接続語は,文と文とのつながりを規定する言葉です。そしてどちらの言葉を使うのかは,最初の文から受ける結論を,書き手がどう解釈しているかで決まります。
 ①彼は勉強ができる。だから,いつも元気がいい。
 ②彼は勉強ができる。しかし,いつも元気がいい。
 ①は,「勉強ができる子は学校生活もルンルンで元気がいいはずだ」という書き手の前提があります。だから,「だから」を使います。②は,「勉強ができる子は,塾や宿題に追われていて,ガリ勉タイプで,外に出て遊ばない子が多い。だから,あまり元気よく過ごしていないだろう」という書き手の解釈がある,それに対してこの子はちょっと違うタイプなので「しかし」となります。
 板倉さんの『発想法カルタ』(仮説社)には,「なのにといったらだから」という項目が挙げられています。接続詞をうまく使うことで,発想を豊かにすることもできるのです。
 さて,授業はどうなったでしょうか。結果を聞かせてくださいね。

4.『ブログ的気楽レポ2006年10月号』 A4  8ぺ  M.O
 今月の気楽レポの内容は,次の2つ。
①分子模型とリピーター
 これは,金沢で行われた「科学の祭典」に出席したときの感想をまとめたもの。以下のSさんのレポートと重なる部分もあるので,内容は省略。
②最近の3人の女の子
 うちのクラスの女子3人の最近の動きを書いてきました。2対1という構図が,1対1対1になり,今,違うペアで2対1になっています。これで,「学校へ行きたくない」なんていわれたんじゃ,いったいどうすりゃいいのか…。今のところ,「学校へ行きたくない」という言葉はないので,マル。1時間目の休み時間になると,3人とも,ばらばらに私に話しかけてくるのです。ん~,みんな愛を求めている。
 「今月の本棚」では,以下の2冊を紹介しました。
○小林正観著『釈迦の教えは「感謝」だった』(風雲社,2006,222ぺ,1429円)
○太田光・中沢新一著『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書,2006,170ぺ)
 とくに,『憲法を…』を読んで,久しぶりに宮沢賢治が気になりだしました。宮沢賢治が日蓮宗に入れ込んでいたのは知っていましたが,その相手が国柱会という組織で,その組織を立ち上げたのが田中智学という人物。なんと,この人は大東亜戦争推進のスローガン「八紘一宇」の言い出しっぺだったのです。一体これはどういうことなのか。宮沢賢治は,国粋主義者になっていたのか? 興味があるので,調べてみたいと思っています。

5.『仮説実験授業の魅力』 A4  8ぺ  M.S
 夏休みの「KITサマーサイエンススクール」と秋の「科学の祭典」に講師として参加した感想が綴られています。
 「KIT」では,低学年と<空気と水>を担当。ずいぶん落ち着きのない子もいて,いろいろとあったらしい。それに対して授業書を信頼しながら授業を進めるSさん。最初は,あっちを向いていた子たちも,少しずつ授業に参加するようになったらしいです。保護者にも感想を書いてもらっているあたりはちゃかりしています(→6のYさんのレポートを見よ)。
 また,「科学の祭典」は,今年も分子模型をやりました。ここ10年間で4回,分子模型をやったことになります。その中には,リピーターが何人もいます。ついに今年は,スタッフとして参加する高校生まで現れました。また違うブースのスタッフなのに,休憩時間には分子模型コーナーに来て分子模型づくりをする子もいました(ついでにうちのスタッフとしても働いていたのだ!!)。
 子どもの名前や顔を覚えるのが苦手の私と違い,菅原さんはリピーターとしっかり会話をしています(後者の子については,「珠洲たのブログ」へ母親から反応がありました。ありがたいこっちゃ。)

6.『仮説実験授業 サマーサイエンス参加で思ったこと』 A4  3ぺ  K.Y
 夏休みにSさんと組んで初めて仮説実験授業を体験?したYさん。ちょっと元気な子たちに対して,平然として授業を進めるSさんに唖然としながら,授業を見ているYさんの顔が浮かびます。
サマーサイエンススクールで改めて仮説のすばらしさ,授業を受けての子どもの変化,授業書がいかに考えられてできているのか実感しました。Sさんが「仮説の授業を受けていくと,馬鹿なことしてやっているのが本当にアホらしくなってくるのよ。」と言っていました。Sさんの中には授業を進めていくと問題児二人はなんとかなるという思いがあったのかなと思います。
 そんなわけで,とても衝撃的な夏の思い出となったのでした。ちゃんちゃん!

 その他にも,「500円玉のマイクロ文字」「人間,死んで火葬にされたなら」(紹介:O),おみやげ「どこでも吸盤」「科学の祭典パンフ」(O),絵カード「ととあわせ」,「スライド万華鏡」(紹介:S)もありました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました