珠洲たの通信・2005年2月号

2004年度

 遅くなりましたが,2月号をお届けします。3月中は,わたしを含めて皆さん忙しくて日程が合いませんでした。そこでサークルの例会も見送り。細々と続けてきたこのサークルも,夏休み以外に例会を開かなかったっていうのは久しぶりのことのような気がします。
 さて,気分は一転。既に新学期も2週間を過ぎようとしています。今年は,どんな子どもたちとの出会いがありましたか? メーリングリストを読んでいる人はおわかりでしょうが,新学期早々「異常」な勤務常態が続いている方もおいでるようです。しかし,そういうときこそ,サークルのような一服が必要なのかも知れませんね。
 わたしも,風邪で既に1日休んでしまいました。その前後も万全の体調であるわけがなく,仕事が溜まってしまっています。5月の連休までなんとかつなぎたいものだと思っています。

■2月の例会の参加者(4名)
M.S(U町O小)  T.M(N町M小)  H.H(U町M小)  M.O(S市S小)

今月の子どもの写真(モルQに夢中)

資料の紹介

1.『カウントダウン18』 B5  4ぺ   M.S
 4月から書き続けてきた「学級物語」の続編です。しかし,今月の論調は,今までとはちがいます。タイトルは「カウントダウン18」と,いかにも「はやくおわかれしたい」という感じに捉えられますが,決してそうではありません。子どもたちのとの関係も1学期とくらべれば雲泥の差。とてもしっくりしている様子がよく分かります。
 待ちの姿勢と,とにかく受け入れる態度。少し成長したことは素直に認めてあげる。そういった対応が,ここまで引っ張ってきたのかなと思います。壮大なる実験結果でした。あと一人の「彼」が,本当に心を開くのはいつなのでしょうか。もしかしたら,明日かも知れないし,数年後かも知れません。でも,待つしかない。そう思います。

2.『世界の国旗~簡略版~』 B5   4ぺ   M.S
 昨年はオリンピックがあった年。1学期末に授業にかけようと思っていた《世界の国旗》でしたが,クラスの状態を考え,今までできずにいました。今回,総合の時間等を使ってやってみた《世界の国旗》の授業の様子をまとめてきてくれました。
 色塗りを面倒くさがっていた子もいたようですが,終わってみれば,授業の評価が「4と5」で3分の2以上(29名中20名)。3が7名で,例外的に1が一人(無記名1人)。
 この授業書の国旗を塗るって,結構大変です。やはり丁度良いシールとかを準備できればいいのかも知れません。
 授業後に国旗シールを注文した子が21名もいたというのも,この授業がおもしろかったからに違いありません。

3.『私の読んだ本たち』 B5  4ぺ   M.S
 今月限り,限定版として書いた「本の紹介」です。
 年末に鹿児島を訪れて以来,沖縄戦を含めた本を読み直しているようです。こういう本に入れ込むあたりが,社会科のにおいもする人なのかなと思います。紹介してくれた本は
○佐藤早苗著『特攻の町 知覧』(光人社,900円)
○石塚昌家著『沖縄の旅・アブラチラガマと轟の壕-国内が戦場になったとき』(集英社新書,700円)
○下嶋哲朗著『沖縄・チビチリガマの“集団自決”』(岩波ブックレット,480円)
○伊波園子著『ひめゆりの沖縄戦』(岩波ジュニア新書,780円)
○比嘉富子著『白旗の少女』(講談社,580円)
○知覧なでしこ会編『群青~知覧特攻隊基地より』(高城書房出版,1000円)
 石塚さんの『沖縄の旅』や下嶋さんの『沖縄』を読むのはこれで数度目だといいます。実際にガマの見学もしたというのですから,よほど印象深かったんでしょうね。
 今年は戦後60年。いろんな意味で「戦後総決算」が叫ばれそうな風潮ですが,歴史から学ぶということをしっかりやっていきたいものですね。

4.学級通信『ハッピーニュース』 B5  4ぺ  T.M
 4年生の子どもたちと《ハングルで読もう》をしたという報告です。どの子どもたちも喜んでくれている様子が伝わってきます。「家に帰ったら問題を出したいです」なんて,楽しくてわかっていなくてはいえない言葉だものね。
 まだ一度も子どもたちとやったことのない私は,とてもうらやましく思っています。

5.原田隆史の話と資料 A4  6ぺ  紹介としゃべり   H.H
 あれた中学校を建て直し,「生活指導の神様」とまで呼ばれている原田隆史氏の著書を紹介しながら,その技能・技術について,いろいろと話してくれました。
 原田さんのことは私ははじめて知ったのですが,なかなか面白そうな人です。夢を実現するために築きあげた方法が,①態度教育 ②価値観の向上 ③目標設定 ④心づくり指導 というのもだそうです。
 Hさんが引用した部分では,「大人が変わらなければ子どもはかわらない」「小さな成功体験が大きな成功への原動力になる」という部分に大いに共感しました。
 紹介してくれた著書は,以下の2冊です。
・『本気の教育でなければ子どもはかわらない』(旺文社,2003)
・『カリスマ体育教師の常勝教育』(日経BP)

6.『科学のひろば』№2 B5  5ぺ  M.O
 2学期に5年生とやった仮説実験授業《溶解》の感想文特集です。級外で,3学年の理科を持っているので,なかなか授業記録は書けません。せめて,授業終了後ぐらいは,こうして感想をとりまとめたいと思っています。
 《溶解》の授業の子どもたちからの評価は,5と4が19人(23人中),あとは3で,圧倒的に支持されました。授業書外でやったミョウバンの結晶作りが余りうまくいかなかったので,次回はリベンジしたいです。

7.『学びあい用資料・2編』 A4  3ぺ  M.O
 本校では,『学びあい』という研究紀要を作っています。今年で3年目です。余り乗り気ではないのですが,今までの繋がりというのもあるので,文句をいいながらも,ちゃんと書きました。しかも『学びあい』の編集をしたのも私です。偉いなあ。
 授業実践の方は,4年生との「もののあたたまり方」の授業の一部分と6年生との「ヒトのからだ」のだ液のはたらきの一部分を紹介しました。子どもたちは,意外と授業に乗ってくれたのでうれしかったです。
 一方,ふりかえり(自由記述)の方は,1年間の雑感をまとめてみました。内容は,昨年1年間学校で生活してみての私なりの提言というか,今後大切にしていったらいいことを書いてみました。でも,ちょっと過激な文章になったので,『学びあい』に掲載するのは,縦割り班のみに焦点を絞った文章を別に作りました。

8.『今月の本棚2005年2月号』 B5  6ぺ  M.O
 今月読んだのは以下の本です。
○石原純著『子供の実験室』(アルス,昭和3年,231ぺ,古書)
○茂木俊彦著『障害は個性か』(大月書店,2003,166ぺ,1400円)
○佐藤学著『授業を変える 学校が変わる』(小学館,2000,238ぺ,1900円)
○佐藤学著『教育改革をデザインする』(岩波書店,1999,201ぺ,1900円)

○三崎亜記著『となり町戦争』(集英社,2005,196ぺ,1400円)
○城 繁幸著『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(光文社,2004,235ぺ)
○高橋伸夫著『虚妄の成果主義』(日経BP社,2004,244ぺ,1600円)
○高橋伸夫著『できる社員は「やり過ごす」』(日経ビジネス文庫,2002,260ぺ,600円)
○H.トーマス・ジョンソン他著『トヨタはなぜ強いのか』(日本経済新聞社,2002)
○北野進著『珠洲原発・阻止へのあゆみ』(七つ森書館,2005,391ぺ,3000円)
○平林浩・津田道夫著『イメージと科学教育』(績文堂,2005,253ぺ,2200円)
○樋口裕一著『たった1分でできると思わせる話し方』(幻冬舎,2004,218ぺ,1300円)
 佐藤さんの理論本2冊がお薦め。その中でも岩波の『教育改革をデザインする』は,最近読んだ本の中でも結構気に入っています。これで,佐藤学さんの最近の本はだいたい網羅したかなと思います。人事考課制度導入のうわさもあり,そういう関係の本も数冊読んでみました。余り知らない世界でしたが,ほおっておけない問題だと思いました。

このほかに「給食だより2月号」(紹介:O)紙芝居「大笑い落語劇場」(紹介・朗読:M)などがありました。

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