珠洲たの通信・2004年9月号

 新潟中越地震は「本震に匹敵する余震がしばらく続く」という,今までに体験したことのないパターンの地震で,能登に住む私もびっくりです。発生した時には,車に乗っていたので気づきもしませんでしたが,車に搭載されているテレビで情報は入ってきていたので,ドキドキして聞いていました(見ることはできない,運転中だから)。新潟では「震度6強」と聞き「これは,すごい被害に違いない」と思いました。しかも「震度の情報が入ってこないという地区もある」ということで「ライフラインが完全にやられている」とも思いました。一刻も早く,仮設住宅を建ててあげないと寒さで二次災害もありえます。冬はそこまで来ています。

■7月の例会の参加者(3名)
K.H(Y村Y中)  M.S(U町O小)  M.O(S市S小)

体験・ミニ学習書《学力について考える》(作:中一夫)  紹介 M.S

 Sさんが,夏の大会で体験してきた中一夫さんの作成したミニ学習書《学力について考える》を一緒に読んでみました。様々な意味で使われる<学力>という言葉。<学力>という言葉を考え直す中で「学習指導要領の変遷」「日本人の大人の学力」「時代の移り変わりと学力」などを幅広く考えるように作られています。
 一度は何処かで読んだ話題なのですが,こうして予想を立ててやってみると,頭の中がすっきりと整頓されてくる気がしました。64ページもの学習書だけでも話題が豊富なのですが,付録に「参考文献」からの引用がたっぷりついています。これも含めると110ページにもなる大作です。今度,学習会などあったら,これをもとに話が出来るなあと思いました。最新号の『たのしい授業』にも,この学習書のエキスが取り上げられていました。サークルに来れなかった人は,そちらの方を読んでみてください。
 また,夏の大会の分科会で,この「<学力>について考える」というレポートについて板倉先生が話した内容もコピーして持ってきてくれました。これもまた,刺激的な文章です。貴重な話題を交流してくれて感謝します。全国大会のエキスをいただきました。

資料の紹介

1.「夏の大会から秋へ」 B5  6ぺ  M.S
 仮説実験授業研究会の全国大会で,レポートを発表してきた様子をレポートしてくれました。レポート発表前の緊張しているようすと,いよいよ発表が始まってしまったら無我夢中で思いをぶつけたという話が,なんともSさんらしいなと。
 「仮説を知っているからこそ悩むんですよ」と中さんに言われたのをはじめとして,参加者の皆さんから温かい言葉をたくさんもらったそうです。「わたしの悩みを全国区に広めたぞー,妙にすっきりした」という感想に,素直に「よかったね」と思いました。
 分科会の後も,さらに「どこでも分科会」と称して,いろいろな知人に語りまくったというのですから,Mパワーここにアリですね。
 このレポートをきっかけにして,いろいろとネットワークも広がったようです。こんなクラスの状態だったから,Sさんの視野もつきあいも広がったのだと思えば,その子どもたちに対して感謝しなければなりませんな。

2.「高学年攻略法」 A4   2ぺ  M.O
 これは,夏の「たの授ゼミ」(あの小松の会)の時に高学年分科会用に作ったプリントです。なんとなく,高学年を持つとこんなことに気をつけているよなあ-と思っていることを書いてみました。
 最後はやっぱり仮説。これがあれば絶対大丈夫とは言わないけれど,これがない生活をしたことがありません。
 あの会の時には,参考に,之までの学級通信も数枚持ってきました。同じ分科会にいたNさんは,製本したものをそのまま持ってきてくれました。ひらいてみるととても懐かしい学級通信がいっぱいありました。10年ほど前は,本当にたくさんの学級通信を書いてお互い公開していたなあと思います。『北陸仮説』というガリ本が懐かしく思い出されました。

3.「夏,板倉哲学にふれました」 B5  3ぺ  M.S
 「文章というのは,同じ人間が読んでも,その時の状況によって,引っかかることが違うんだろうな~と実感しながら読みました」とSさん。板倉さんの『哲学的とはどういうことか』の読後の感想を書いてきてくれました。
 教師の生活には,夏休みなどがあり,仕事の忙しさは,一月ごとにずいぶんと違いますが,こういう長い休みには,じっくり哲学することが必要なのかも知れません。忙しくて自分の実践をふりかえる時間がないのが学期中ですからね。

4.「MY BOOK 8/9月号」 B5  5ぺ  K.H
 夏休み中にも学校に行くのが当たり前になったとはいえ,生徒さんは部活の時ぐらいしか来ません。授業の準備も2学期に備えてゆったりとすすめることが出来ます。そこで読書の時間も増えて,たくさんの本を読んだということです。
○高橋善彦著『道徳だって楽しく』(猫森堂書店・ガリ本)
○唯川恵著『永遠の途中』(光文社)
○二階堂泰全『仮説実験授業の時代』(岩手仮説の会・ガリ本)
○齋藤孝著『座右のゲーテ』(光文社新書)
○『できる事典 EXCLE 2003』『できる事典 WINDOWS XP』『できる事典 POWER POIN』(インプレス)
○栗田哲也著『数学に感動する頭をつくる』(ディスカバー)
○小泉十三著『実践ドリル版 頭がいい人の習慣術』(かわで新書)
○山口瞳著『人生の楽しみ見つけたり』(講談社+α文庫)
○樋口裕一著『頭がいい人,悪い人の話し方』(PHP新書)
○『楽しい教師の教育学』(ガリ本図書館・ガリ本)
○『世界の中心で愛を叫ぶ』(コミック)
○中一夫著『追い続けるたのしさ』(ピーチプレス・ガリ本)
○秋山仁著『知性の織りなす数学美』(中公新書)
○犬塚さんの授業を学ぶ会『仮説実験授業に出会い続けて6』(ガリ本)
○齋藤孝著『教え力』(宝島社)
○山路敏英著『のろまのまんま』(ほのぼの出版)
○犬塚さんの授業を学ぶ会編『犬塚さんの授業を学ぶ会会報1』(ガリ本)
○犬塚さんの授業を学ぶ会編『犬塚さんの授業を学ぶ会会報2』(ガリ本)
 Hさんが紹介している本には,ガリ本と呼ばれるものがたくさんあります。どこかの後援会やレポートをまとめたものが多いです。Oは,たくさんのガリ本で仮説実験授業を学んできました。ガリ本は,なかなかおもしろいものがあります。でも,読んでみようと思ってもなかなか手に入りにくいものが多いです。サークルに来てもらうか,Hさんに直接連絡をとってみてください。

5.「今月の本棚・2004年8/9月号」 B5  6ぺ  M.O
 今月紹介したのは,以下の15冊です。
○斎藤喜博著『斎藤喜博全集1,2,3,4』(国土社,1970,各1000円)
○子どもと教科書全国ネット編『ちょっとまったぁ! 教育基本法「改正」』(学習の友社,2003,160ぺ,1300円)
○伊藤哲司著『「心のノート」逆活用法』(高文研,2004,126ぺ,1400円)
○斎藤貴男著『機会不平等』(文藝春秋,2000年,295ぺ,1700円)
○斎藤貴男著『教育改革と新自由主義』(寺子屋新書,2004,206ぺ,800円)
○橋本治著『思考論理学』(マドラ出版,1992,100ぺ,980円)
○りぼん・ぷろじぇくと著『戦争のつくりかた』(マガジンハウス,2004,47ぺ,600円)
○パーシバル・ローエル著『能登』(パブリケーション四季,1979,ぺ,2200円)
○香山リカ著『ぷちナショナリズム症候群』(中公新書ラクレ,2004,181ぺ,680円)
○秋田総一郎著『楽知ん絵本 フラッグス・る?』(楽知ん研究所,2004,124ぺ,1200円)
○樫田準一郎著『先生にでもなれと言われて』(自家版,2004,214ぺ)
○野間秀樹著『暮らしの単語帳 韓国語』(ナツメ社,2004,416ぺ,1000円)
 夏休み中は,斎藤喜博全集を読もうと思っていたのですが,残念ながら,4冊しか読めませんでした。でも,全集を読むついでに,「斎藤喜博略年表(未完)」に着手してみました。年表をつくるといいというのは,仮説実験授業研究会から学んだことです。41歳には島小の校長として赴任しています。すごい人だ。

6.「給食だより・2004年9月号」 B4  2ぺ  M.O
 今月の話題は「目」にしました。ビタミンAと目が関係あるそうなのです。本には,「ビタミンAは粘膜を強くする働きがある」と出ていましたが,何でなのかは知りません。ビタミンAは油と一緒に取るとよく吸収されると言う話も書きましたが,この理由は「βカロチン」の分子模型を紹介したとき(だいぶん前だなあ)に自分では納得したつもり。

 その他に「正常化通信1枚号・9月3日版」(紹介:O),おもちゃ「ワンダーワイヤー」(紹介:S),「フックの顕微鏡(複製)」「ベルリナー式円板蓄音機」(紹介:O)などがありました。

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