珠洲たの通信・2004年5月号

 「今月からサークル通信を書くからね」などといいながら,はや4月号は遅れ気味。情けないことですなあ。忙しさを理由にしてはいけないけど,少し時間があると「また忙しくなると疲れるから,今日は寝よう」と思ってしまうのです。実際,最近なんでもないのに,朝起きると頭痛がすることもあり,パソコンと運転と会議の毎日が体に応えているのかなあなんて思います。先日も,朝から頭痛がするので,1時間目の空き時間にパソコンでやっとこミニバス通信を作っていました。それでも頭痛は弱くならず,それでも仕方ないからヒョウタンの棚でも作ろうかと外へ出て体を動かし始めたところ,少しずつ体調が戻ってきました。なんのことはない,やはり座りっぱなしがいけないのでしょうね。
 突然の市長選も終わり,珠洲市はなんとなくこのまま行くんだろうなあと思います。まあ,投票率が低くなりそうなのですが,「まあどっちでもいい」という人が多いということは,他の郡市に近くなったのだろうと思います。

■5月の例会の参加者(3名)
K.H(Y村Y中)  M.S(U町O小)  M.O(S市H小)

資料の紹介

1.『いやらしい教師根性』 B5 4ぺ   S.M
 先月,「子どもたちとのいい関係を」と《もし原》をはじめたSさんですが,運悪く運動会の練習などが入り授業時間も確保できない状態に…。なかなか思った通りのいい関係になれないSさんは,またまた「どうしようー」という思いにかられるのでした。そんなとき,T教頭さんに「そう簡単にかわらんて。簡単に良くなるくらいならまた簡単に悪くなるから…気長にいかんかいね。」と言われ少し気が落ち着いたとか。
 「いろいろ楽しいことしてやっているのに,どうしてこっちの方を向いてくれないのかねえ」なんて愚痴を言ったりしたくなることがありますよね。そういう教師の善意に応えてくれるのが子どもとして当たり前だよっていう思いが「教師根性」というやつでしょうか。
 時々陥る教師の性とでもいいましょうか。うまくいっているときには何とも思わないのに,少し気になる子が出てくるとすぐにいい反応を求めたくなり,それがうまくいかないと教師の気分も沈んでしまう。するとよけいに子どもが離れていく。ここは,懐大きく,まあ,なんでもやりんしゃいって感じでいきましょう。気長にいくためには,気分を軽くしていかないと長続きしないもんね。

2.『科学のひろば・6年生』第1号 B5  4ぺ  M.O
 ボクは新しい学校でも級外です。今年も4,5,6年生の理科を持ちました。今回は,新しい学校で初めて出会ったばかりの6年生と行った《もしも原子が見えたなら》の感想文を持ってきました。
 子どもたちからの「楽しさ度」の評価は,「5 たいへん楽しかった」が9人,「4 楽しかった」が8人と,圧倒的な支持を得ることができました。新しい学校の新しい子どもたちにも仮説実験授業はしっかり支持されています。モルQの注文もけっこう来そうな感じです。
 今年は「たの授ML」で知り合ったAさんの作られたパワーポイントを使った「もし原映像」をフルに利用。特に,炭素と酸素が合体して二酸化炭素になる部分とか,動きがあるとわかりやすい部分がたくさんあり,ました。
 後日談として,6年生が勝手に作っている壁新聞にも,《もし原》の授業のことが取り上げられていました。担任でもないからちょっと不思議な気がしました。でもうれしいけど。

3.「《空気と水》の定着は?」 A4  2ぺ  M.O
 4年生とは《空気と水》の授業を行いました。このレポートは,最後のテスト結果(正答率)とボクの授業の進め方との関連を考えて書いてみたものです。
 誤答が多かった問題として3問あげて,それについて考えを書いてみました。どれも,こちらの工夫がもう少しあれば,実験結果がしっかり定着していたのではないだろうかという思いがあります。しかも,その工夫は,ちゃんと『授業ノート』に書かれているものばかりでした。
 20年も仮説実験授業ばかりやっているとだんだん慣れてしまっていい加減になっているのかも知れないと反省した次第です。
 今度は,ちゃんと『授業ノート』にも目を通して,子どもたちの反応を想像しながらやりたいです。「西川さんの授業を学ぶ会」から学んだ頃の気持ちをもう一度しっかり復習しなければ…。

4.「3年選択数学 授業感想集」 B5   K.H
 《2倍・3倍の世界》をやり始めて5週目です。生徒さん達の毎時間の感想をまとめてきてくれました。
2時間目「マップメジャーが楽しかった」
3時間目「長さを2倍にしたら面積は4倍なんて意外だった」
4時間目「面積二乗の法則というのを習い,けっこう簡単だ」
5時間目「いつも北海道が出て来てすごい」
なんて,楽しんでいる様子がよく分かります。
 Hさんは「もう少しお互いに意見を言い合ってくれればいいのだけれど…」といっていましたが,それについては「少人数なのだから,円陣を組んだり,黒板を使わないでやったりしてもいいんじゃないの」という助言もありました。教師の方が一般的な授業形態から抜け出れなければ,生徒たちもいつもの形式的な授業パターンになってしまうんじゃないかなとも思いました。
 昨年,同じ選択数学を受けた生徒達から「パズルもやってよ」という要望もあるようです。そこら辺は,いろいろ織り交ぜてニーズに応えながらやってみて下さい。こんな選択数学ならやってみたくなりますね。

5.「MY BOOK 5月号」 B5  3ぺ   K.H
 今月は3冊の本を紹介してくれました。
○筑紫哲也著『対論・筑紫哲也 このくにの行方』(集英社 1400円)
○「たのしい授業」編集委員会編『学級担任ハンドブック』(仮説社 1400円)
○新井満著『千の風になって』(講談社 1000円)
 筑紫さんの本には『この「くに」のゆくえ』という本もあります。これはNEWS23での筑紫さんの「多事争論」を集めた本です。対談集の方も結構おもしろそうです。
 新井さんの『千の風になって』は,Sさんも知っていて,知らないのはボクだけでした。いろいろと騒がれているもののようです。そこで,ここでもこの詩を紹介しておきます。
 だれが言い始めたともなく伝わっているという詩です。英語の一編を紹介したそうですが,はっきりとしたルーツはわかっていないようです。
 「千の風になって」という詩は「原子論的な死のとらえ方」と言えなくもありません。

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

あの大きな空を
吹きわたっています

 さて,Hさんのように,本の紹介をするときにはいろいろと自分が気に入った部分やおやっと思った部分や目からウロコの部分を抜き書きしたりするのですが,これは,大江健三郎さんが小さい頃からやっているやり方と同じです(この前読んだ大江さんの本にそう書いてあった)。自分の気に入った部分を抜き出して,もう一度文章にしてみるだけで,自分の財産となっていくのかも知れないと思いました。

6.「中町氏を疑った男たち」 B5  6ぺ   M.O
 これが理科部会のレポートか!と理科部会の方達に言われながらも教研で発表したレポート。要するに「灯油ポンプ」と人生と人間関係とをまとめたもの-よく分からない説明だなあ-気が向けば,こういうレポートは一気に書けてしまうのです。
 このレポートは,学校でも全職員に配布したし,理科部会から派生して,いろいろなところに伝わっているようです。みんなたのしい話題が好きなんだなあ。それにしても「醤油ちゅるちゅる」のことを知っている人が理科部会でもけっこういたのには驚きました。みんなテレビ人間だねえ。
 でも知らないから楽しめるってこともあるなと思いました。

7.「今月の本棚・2004年5月号」 B5  5ぺ  M.O
 昨年は道徳関係の本でしたが,今年は教育問題・政治問題関係の本をたくさん読みそうです。組合の係をして2ヶ月。以下のような本を読みました。
○日本教育法学会編『講座・現代教育法2 子ども・学校と教育法』(三省堂,2001,306ぺ,4200円)
○西原博史著『教育基本法「改正」』(岩波ブックレット,2004,71ぺ,500円)
○苅谷剛彦他著『調査報告「学力低下」の実態』(岩波ブックレット,2002,71ぺ,500円)
○大津由紀雄・鳥飼玖美子著『小学校でなぜ英語?』(岩波ブックレット,2002,70ぺ,500円)
○日教組インクルーシヴ教育推進検討委員会『どうする特別支援教育』(アドバンテージサーバー,2004,286ぺ,2100円)
○森口朗著『授業の復権』(新潮新書,2004,183ぺ,680円)
○大江健三郎著『「新しい人」の方へ』(朝日新聞社,2003,181ぺ,1200円)
○小沢昭一著『川柳うきよ鏡』(新潮新書,2004,189ぺ,680円)
 「岩波ブックレット」については,薄いのに良くできているなあと改めて思いました。薄い分,論点がはっきりしていて,しかも1日で読めるので頭に入ります。何か問題を感じたら,まずは「岩波ブックレット」だね。
 『授業の復権』は,いろんな授業理論や実践を誉めているのかけなしているのかよく分からない感じの本。著者本人も高校の先生だけど,「じゃあ,あなたはどういう授業をしているの」というのが全く見えてこない不思議な本です。
 『特別支援教育』については,今後,下手をすると子どもに取り返しの付かない傷を負わしかねない部分もあり,注意が必要。本を読んでも,じゃあ実際の現場では何ができるの…というところで詰まっているのが現状です。

8.韓国の教科書とCD     紹介 M.O
 インターネットから手に入れた韓国の小学校で使われている教科書の実物(新品)を持ってきました。1,2,4年生の国語。5年生の音楽の教科書です。1年生の国語の本は,大きなハングル文字でいっぱいです。
 この本を手に入れる過程で,韓国の在住の方(日本人だけど)といろいろメールでやりとりしている間に,韓国の新聞やお菓子の包装紙なども送って下さることになり,ボクの手元にはハングルグッズが一気に増えました。
 さらに,韓国語で歌われている日本のアニメのCDも手に入れることができて,ネットの便利さを感じています。ネットは間違って利用すると「人の痛みもわからない危険なもの」となりますが,いい部分もたくさんあります。ネットのお陰で,ボクのつきあいはずっと増えて,教材研究も一気に深めることができています。
 このハングルグッズは『ハングルを読もう』で使おうと思っているのですが,級外なのでできそうにありません。しかし…理科を早めに終わって,3学期にやるという手もあるな。6年生への卒業プレゼントってのはどうかな。

9.「給食だより・2004年5月号」 B4  2ぺ  M.O
 わたくし,今年は「給食だより」を書いています。給食だよりといえば,栄養士さんの仕事。前任校には栄養士さんが居て,いつも工夫された給食だよりが出ていました。本校には,栄養士さんが居ないので養護教諭の方が書かれていました。どこの学校でも養護の先生が書いていることが多いみたいですね。でもでも「養護の先生が給食の世話をする」って決めること自体が変。そこで,回り持ちで書くとか級外が書くとかすればどうってことで,わたしが引き受けたというわけ。実際には,歓迎会の酒の席で「オレに書かせてー」と言ったのがすべての始まりということらしいけど。
 ま,そんなわけで,教員になってはじめて「給食だより」なるものを書かせてもらっています。すべてをパソコンでやるというのがボクの基本編集姿勢。カワイイカットを探すのは大変ですが,ネット上にもいろいろ見つかるので助かっています。毎月出すので,こうご期待。

 その他「珠洲たのしい授業の会通信・2003年5,6月号」(O),たくさんのおもちゃなど(仮説社から注文したもの)がありました。
 たった3人で行うことも多いサークルですが,このサークルのお陰でレポートを書く気にもなり,新しい話題に触れることもできます。何よりも,本音で語ることができて,それが自分の次の-肩肘張らない-意欲にもつながります。
 どうか,まわりの皆さんも誘ってみて下さい。決して怪しい会ではありませんので…って言っても,知らない人には十分怪しいかなあ。

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