今月はスペースが足りないので,まえがきはなし。しかも,10ポイントで(紙の場合です)。ここにはスペースがあるのですが,書き加えません。
■1月の例会の参加者(7名)
H.K S.M K.M S.M N.T W.T O.M
資料の紹介
1 「〈銀行におちぶれたくはない〉ろうきんの話」A4 5p K.M
ちょっと毛色の変わったレポートを持ってきてくれました。働く人のための「ろうきん」の話です。2021年11月13日,組合関係の研修会「第3回自主福祉運動推進会議」にZoomで参加した際に,学習したことをまとめてきたのです。その講義のタイトルは「歴史から学ぶ労働運動と労働者自主福祉運動の理念・課題~労働組合と労金・こくみん共済coop《全労済》の関わりを中心に~」という長ったらしい名前のものでした。講師は,高橋均さん。
「労働金庫」と「普通の銀行」はどこが違うのか。なんとなく知っているつもりでしたが,ここまでしっかり話を聞いたことはありませんでした。そもそも「なぜ銀行ではなく金庫なのか」。ちょうどNHKの「青天を衝け」で,渋沢栄一が日本で初めて銀行をつくるときに名付けた「銀行」と,どこが違うのか。この部分をレポートから引用してみます。
労働銀行になるはずだったのですが,一般の人が「お金貸してほしい」と言ったって,銀行はお金貸してくれなかった。そんな銀行と同じになるのはイヤだと信用組合の人が言ったんだそうです。そうしたら大蔵の役人が,「では銀より上の金ではいかがですか?」と言ったとか。それで労働金庫になったのだそうです。(レポートより)
そんな経緯があったんですね。興味深い話です。
他にも,このレポートには,「ザリガニとりの話」「労働組合と労働者生協の歴史」「二宮尊徳の報徳五常講」「共済は共助,保険は自助」「最近の共済の実例(新潟大火災,阪神淡路大震災の時)」など,興味深い話がたくさんありました。
他のキーワードや人名を挙げます。「ボタ山の絵日記」「鈴木文治」「平澤計七」「賀川豊彦」「町田争議」「GHQ民主化五大改革指令」「労働金庫法」「インシュアランス(insurance)」
2 「忘年会の後」 A4 1p W.T
京都教育大学出身のWさん。忘年会の時に,大学の話題が出たことをキッカケに,思い出したことがあるそうです。それは当時の教育実習でのこと(当然,京教大付属小)。社会科専門の先生が3年生に対して仮説実験授業のようなものをやっていたとか。
この話を聞いたメンバーからは,「それは仮説実験授業を真似たものでしかないと思う」ということでした。ただ,授業をつくる際に〈選択肢を設ける〉ことは,仮説実験授業から学んだものかもしれません。最近は,授業の中で〈子どもたちに選択肢を示す〉ことが普通に行われていますが,仮説実験授業が提唱された頃(それ以降もずっとだけれども)は,「選択肢は子どもの思考を狭める」と批判されたものでした。本当は逆だったことはハッキリしています。実験を伴わない教育の常識はまだまだいっぱいあります。
2年算数の大きな山は「九九」とその暗記でしょう。はじめて2年生を担当していろいろと取り組んでいる様子を紹介してくれました。職員室には強いお局(おっと失礼)Sさんが控えておりますので,おんぶに抱っこをしてもらいながらの実践です。覚えることも楽しくできる。それが大切ですね。
あとは,縦割り班に分かれて活動する際の,高学年への事前・事後指導の大切さについても話がでました。一口に高学年児童といっても,その成長の度合いやリーダー性には当然個人差があります。そんな児童一人一人の力に合わせながら事前指導をし,縦割り班へと参加させるのは,高学年担任の仕事だと思います。
他学年の子どもの様子を見て,「もっと他に何かできるのではないか」と感じることはとても大切な感性です。その答えはすぐにでなくても,どっかで引っかかりを持っておくことで,今度自分がそういう担当になったときに役立つんじゃないかと思います。
3 「Gibbous Moon」 B5 2p N.T
今月のタイトルは「理想を掲げて妥協する」という板倉先生の言葉です。
勤務校では,3学期から,新しく「学テ対策の帯時間」が設けられたそうです。上の方とは教育観の違い(学力か意欲)が大きくて,ほんとに嫌になりますが,残念ながら自分の力はまだまだ弱くて,抵抗できるような相手ではない。だとすれば,自分の理想は失うことなく,今の現状を少しでも改善していくことが必要になります。その時の言葉がこの「理想を掲げて妥協する」ですね。ちょうどわたしも,同じ言葉を今月のレポートに書いていて,偶然の一致に不思議な感じがしました。今の現場で自分を失わずに生きていくためには必要な言葉なんでしょうね。
授業実践の話題には「こころ文字」と「授業プラン〈割合〉」がありました。昨年夏に授業書体験した高橋さんのプランの続編ですね。どんな授業になったのか,結果を教えてください。
「オンライン冬の大会」にも参加したそうです。右のような「デジタル紙芝居」も見せてくれました。詳細はSさんの記事を見てください。それにしても,世の中はどんどん進歩しますなあ。
4 「珠洲たのレポート1月号」 B5 4p H.K
今月号からは,「コーヒーブレイク」のコーナーを先にしたそうです。その方がいいと思います。読んだ本の紹介は,特に心に残った本を詳しく紹介してもらえば,十分参考になりますので。
今月のkeywordは〈時間〉です。若い頃と違って,退職した今,そろそろ自分に与えられている時間は有限であることに気づいてきます。そういう今,どのようなことをしてどのように生きていくのか。Hさんは「自分の本当にやりたいことをできずに終わってしまう可能性がある」と危惧しています。そういわれてみれば,わたしだって同じです。今さら「オレの本当にやりたいことってなんだろう」と考えてみても,そんなもの,自分の周りをどれだけ見渡しても,どこにもないことに気づきます。
Hさんがいうように,過去はふり返ることができるけど過去に戻ることはできません。だとすれば,過去をふり返り,その過去の経験を活かしながら,時によっては切り捨てながら,これからも前を向いて生きていく。それが大切だし,それしかできないんだろうなと思います。
現役であろうが,退職していようが,あるいは子ども時代であろうが,「自分は誰かの役に立っている」という感覚を持てるかどうかが一番大切なような気がします。
今月の紹介してくれた本は,以下の4冊です(金額は税抜き)。
○茨木のり子著『倚りかからず』(ちくま文庫,2007,580円)
○茨木のり子著『自分の感受性くらい自分で守れ バカものよ』(小学館,1200円)
○アンデシュ・ハンセン著『最強脳』(新潮新書,204ぺ,2021,960円)
○筆子著『書いて,捨てる』(大和出版,192ぺ,2020,1400円)
先の2冊の著者,茨木のり子さんは詩人なのかな。紹介してくれた詩も素敵でした。いつか,図書館から借りて読んでみようかな。茨木さんの本から,Hさんが学んだことは「最終的に頼れるのは,この頼りない自分だけであること」「世の中のいろいろな事象の中で,自分にとって一番大切なものは自分の感受性であること」だそうです。要するに,自分を大切にできないで,誰を大切にできるかってことですね。自分の感受性こそ大切にして,たのしく生きていきたいです。
5 「喃々レポ 2022年1月号」 A5 8p M.O
まず,1月上旬に行った「わくわく科学教室」のふり返りをまとめてみました。今年度に入って2回目です。準備したのは1時間30分でした。子どもたちの感想はまずまずでした。冬は静電気起きまくりでよかったです。一番よかったのは,ちゃんと参加費を100円取って,その代わり,60㎝くらい塩ビパイプをお土産にしたことです。家でも静電気の実験ができますからね。これからも講座には,ものづくりや体を動かす体験を入れていきたいと思います。また科学教室で配付した講座をまとめたプリントも持ってきました。
次に,わたしの重大ニュースを挙げてみました。なかなか思いつかないものですね。それだけ普通の生活が淡々と続いているんでしょう。コロナのせいでどこにも行っていないし。ただ,重大ニュースを取り上げている中で,「目標を立てる怖さ」に気づくことができたことは収穫です。
最後に,兼子美奈子さん(横須賀)が翻訳し,製本してくれた『9つのお話で考える,くらしと産業革命』を巡る話題です。兼子さんへは,この後も手紙を出しています。
6 「わたしの琴線の在処No.4」 A5 4ぺ M.O
「琴在」シリーズの第4弾です。今回取り上げたのは,内田樹編著『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』(晶文社,2020,306ぺ,1760円)という本です。中高生向きに書かれた本書からの示唆は,たいへん多いです。子どもたちに「ガマンして勉強しろ」と言うことが,これからの時代にいかに合わないのかが分かります。教師のスタンスとしても学ぶものがたくさん入っている本ですよ。お薦めです。
7 サークル資料「3学期は50日」 B5 4ぺ S.M
Sさんは,よく教え子の成人式に出席しているようです。今年も参加したそうです。すっかり大人になった子どもたちと会話するのも楽しいでしょうね。わたしは,教え子の成人式には一度も参加したことがない(自分の娘でさえ,妻が対象を崩していたために代わりに参加したのが1回だけ)ので,よく分かりませんが。
さてTくんのその後。そろそろ学年末が近づき,担任も子どもたちも来年度のことが気になる頃です。揺れては戻りながら成長していくT君の姿をこれからも見ていきたいですね。
メインは冬の大会の報告。今年もZoomで行われたのですが,珠洲たのからは3名が参加したようです。
伝達してくれたのは『「空気の粒が見えたなら」という紙芝居を作ってみました』(竹田美紀子),『絵本「まっくろ」の読み聞かせプラン』(松川靖),『〈水に浮く野菜,沈む野菜〉の授業』(藤原千之)です。特に,実際に絵本の読み聞かせをしてくれたので,楽しかったです。新しい視点を教えてもらった気がします。
○高橋卓馬作/黒井健絵『まっくろ』(講談社,2021,1760円)
この絵本を使った授業プランを作成した松川さんは,出版社に対して「授業にかける際には必ず本を購入するようにする」と約束したそうです。こういうところが著作権を尊重する態度としてステキですね。さすが研究会の会員です。自分で行った授業書は,後からでもいいので,是非購入して欲しいです。研究会を持続可能にするためにも,大切なことです。
書きたくないという愚痴も書かれていました。石川県教育界の学力至上主義は,いつ改善されるんでしょうね。はやくこいこいお正月。
8 ものづくり「バランスペンシルスタンド」 紹介 S.M
鉛筆などが,斜めに立ってチンとしているヤジロベエ的ものづくりです。ちょっとした厚紙さえあれば,すぐにできます。このスタンドに入れて鉛筆を立てるとき,自分で釣り合いをとる(それが鉛筆の長さや紙の開き具合によって変わっていく)ので,面白いです。
このページのアイキャッチの画像に入れておきました。
8 今月のミニプラン体験〈ガウス○○器〉 紹介 O.M
2019年の夏の大会で湯沢さん(栃木県)に教えていただいた(実験グッズも買ってきた)磁石と衝突のミニ実験をしてみました。実験道具自体は,とてもシンプルなモノなので,モノさえあればだれでもできます。みんなで頭を使うって,たのしいですね。
コメント
3月のサークルも楽しみです!その頃には卒業式も通知表と終わってスッキリしている!はず…。
コメントありがとうございます。本リニューアルサイト,一番目のコメントで,涙が出るほど嬉しいです。今後とも,皆さんと一緒にこのサイトを作っていきたいと思います。
まずは,今,そこにいる子どもたちと大切なひとときを過ごしてください。では,サークルでお会いしましょう。