指導案「小数のかけ算」

算数・数学

 5年生における「✕小数」の単元は,これまで「加法の積み重ね(累加)」としての乗法のイメージしか持っていない子どもたちにとっては,とてもハードルの高い学習となります。
 指導案にも書いてありますが,小学校2年生の時から「単位あたり量(1あたり量)✕いくつ分=全体量」と指導されてきた子どもたちならば,割とすんなりと,小数の世界の乗法・除法にも入っていけるのですが…。分離量と連続量の理解など,これまでの学習如何で,算数の理解度が大きく分かれてくるのがこの5年生の頃です。計算はできた子どもたちが,だんだんと算数(が扱う概念)が分からないというようになってくるのも,5年生なのです。
 だからこそ,わたしがはじめて5年生と出会ったときには,これまでのかけ算・割り算の意味の再確認をしてから,教科書に入っていきます(指導案にも記してあります)。
 本指導案は,「かけ算をしたのにかけ算の答え(積)が被乗数よりも小さくなることもあるという不思議さに出会わせるためのものです。タイルを使って,理解を助けていきます。

参考図書

 初任の時(なんと1983年度)からお世話になってきた参考書が新居信正著『小数の乗法と除法』(国土社,1981)です。本書はすでに普通の本屋では手に入りません。ぜひ,古本屋などで探してみてください。
 本書には,小数の乗除の授業書はもちろんのこと,授業運営のことなども詳しく載っています。授業書に入るまでの40ページ近くが,なぜこの授業書なのか…という解説になっているわけです。ほんとに素敵な本です。

そこで,本書が一冊あれば「小数の乗除」については,日本のどこにいても,やる気がある教師なら誰でも「楽しい授業」が確実に実現できるように,“教材解釈”と”授業書(案)”の2本立てでくわしく構成しておきました。(本書「ちょっとはじめに」より)

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