今年も特にこれといったカウントダウンをすることもなく迎えたお正月でしたが,みなさんはどうでしたか。
おっと,まずは,挨拶ですね。あけましておめでとうございます。今年も,「珠洲たの通信」ご愛読の程,よろしくお願いします。例会でのみなさんのレポートや発言で維持している通信ですので,ここに書くネタがなくならないようにお願いします…ま,毎回,どのように削るかを考える方が多いのですがね。
昨年の重大ニュースなんてものも話し合うと面白いかも…と思いながら,わたし自身は,まだそんなことを考えてはいません。
新年一発目のお仕事は,1月8日の「わくわく科学教室」でした。子どもたちと科学を学べる楽しさを十分に味わいました。来年度,どんなふうに関われるのか分かりませんが,少しでも科学の楽しさを伝えていきたいです。詳しいことは,1月のサークルで報告します。
■12月の例会の参加者(7名)
H.K S.M N.T K.M S.M W.T O.M
資料の紹介
1 「2学期しゅうりょう!」 B5 4p S.M
「○○ちゃん!」…先生をこのような〈愛称〉で呼ぶのを,あなたはどう思いますか? 一般には〈あだ名〉とかいったりもするけれども,この場合は〈愛称〉といった方がピッタリだと思います。わたしも中学校に勤務していた頃には生徒から〈愛称〉で呼ばれていたこともありました。そのときは他の先輩先生方も同じ〈愛称〉でわたしのことを呼んでいたので,あまり気にはなりませんでした。がしかし,こういうのって管理的な教員じゃなくても気になる人はけっこういるようですね…「○○先生と呼ばせなさい」という人が。
わたし自身は,子どもたちとの関係をフラットにするために呼ばせているわけではなくて,あっちが勝手に呼んでいるだけです。サークルでも話をしましたが,これまで〈愛称〉で呼んでいた子どもたちが,担任になったとたんに「○○先生」と呼び出したのにはビックリしました。人間関係上,どんな力学が働いているのか,気になりますね。
さて,話はTくんのその後,です。先月の「きまりシール作戦」だけでは長続きせず方針を少し見直し,考え出したのが「Tくんがんばれフェア!」。それも,最初はよかったんですが…。やっぱり,「自分を見てくれ」姿勢は人一倍というTくん。
Tくんは「自分の思い通りにならないとき」にダメになる…しかし,これは誰でも同じだろうと思います。たとえ大人であっても…。ただ,そのときのイライラ感情の処理の仕方が違うんですね。自分の中のイライラの処理の仕方を,どのようにTくんに伝えていくのか。それがTくんの大切な学習場面なのでしょう。〈教師からの評価を受ける視点〉から見ると,「どうも自分が劣っているらしい」というのが見えてくるクラス集団での生活は,しんどさを抱える子には大変です。
そのとき,彼の何を大切にするのか。Sさんも対応していますが,彼には「自分の思い通りにならないとき」の対策を考えるよりも,イライラをガマンできたことを褒めることが大切でしょうね。もしかしたらこういう子どもは,教師に教育心理学等の学び直しを促しているのかもしれません。「初心に返れよ」「もう一度,学び直すと発見できるかもよ」ってね。
一方,たのしい授業で子どもたちとしっかり繋がりあっているSさん。《おもりのはたらき》という授業書は低学年でぴったりです。「おきあがりこぼし」や「ヨット」などのものづくりもあるし。
あと,ちょっとしたネタもたくさん用意したそうです。サツマイモのつるを使った「クリスマスリース」や「クリスマスの絵」,「坊主めくり」やカードゲーム,発泡スチロール球で作る「スノーマン」も予定しているとか。サンタさんからは「ホログラムシート」も貰ったそうです。
2 劇「世界の国旗」 ビデオ映像 A4 3p N.T
昨年は,オリンピックの年(ついでに言うと,今年もオリンピックの年)。そこで5年生の子どもたちと授業書《世界の国旗》をやったNさん。学習発表会も「世界の国旗」をしたそうです。
この劇には仮説実験授業研究会のメンバーが作った台本例はありますが,クラスの人数も発表時間も違います。そこで,その台本をアレンジするわけですが,そのアレンジの仕方がN色となって現れてきます。「まねも主体性のうち」「まねの限界が独自性」(板倉聖宣),「何ごともコピー,模倣から始まる」(書家:柿沼康二)ということをおっしゃる方もいらっしゃいますしね。ゴッホも浮世絵の真似をしていたし…。とにかく創造性を気取るよりも,マネしきれないものから創造的なものが生まれると思いたいですし,今回の劇もそうなっていると思いました。おそらく劇を見たほとんどの保護者・先生方が「Nさんのクラスだなあ」と思ったと思います。
劇をした5年生の感想を紹介します。
▼5年生の発表のとき,準備やセリフを慌てずにすることができました。国旗の紹介をするとき1年生がいろんな反応をしてくれて楽しかったです。今までで,一番うまくできたと思います。(Sさん)
3 「珠洲たのレポート12月号」 B5 4p H.K
今月,紹介してくれたのは以下の5冊です。
○ボブ・ディラン著/ドリアン助川訳『きみがいないと』(イマジネイション・プラス,2019)
○やましたひでこ著『定年後の断捨離』(大和書房)
○小林弘幸著『人生で一番役に立つ言い方』(幻冬舎文庫)
○小林弘幸著『整える習慣』(ビジネススキル)
○永松茂久著『人は話し方が9割』(すばる舎)
1冊目はボブ・ディランの歌詞を絵本にしたものです。「If not for you」という歌ですが,知っていますか? ジョージ・ハリスンも自分のアルバムに入れています。わたしは,こちらの方で知っていました。とてもストレートな歌詞で,好きです。
「断捨離」「整とん」「話し方」「時間の使い方」など,Hさんが最近紹介する本は,いわゆる「ハウツー本」が多いような気がします。ということは,これらの本に書かれていることを実際に実践してみることで,本当にそこに書かれていることが自分の内部に起きて,僅かばかりの変化が自分に起きたのかどうかを自分自身で調べることができるということですね。
ともすれば,全く正反対のことが書かれていることもある「ハウツー本」の,Hさんなりの実践例とその結果を期待したいな。それで,なんとなくでもいいので,断捨離などで身の回りの整理ができて,人と話すのがうまくなったのなら,教えてね~。
話すことが苦手なら苦手と,開き直ってもいい。流ちょうに言葉が出てこなくても,焦らなくていいい。じっくり言葉を選びながら,ゆっくり話せばいい。
第2章「また会いたいと思われる人の話し方」『人は話し方が9割』より孫引き
わたしはこの文が一番心に残りました。要するに「わたしの話し方はダメだ」と思わないことですよね。ということは,今のままでいい??? 相手に合わせるって辛いですから。相手に合わせないといけない空間は,自分の落ち着く場所ではない…と思って,わたしはそこでは話さないだろうなあ。
4 「喃々レポ 2021年12月号」 A5 4p O.M
静電気の実験を二つ紹介しました。ひとつは「電気くらげ」。ネットでググればいろいろ出てきますが,ここでは,塩ビパイプとスズランテープ(ポリエチレン)でやってみました。みなさん,結構うまく浮かせることができました。これ,科学教室の最後で子どもたちをやりました。
もう一つは,静電誘導の実験。これもわりと簡単に演示できるので,わたしは好きです。わたし自身が以前サイエンスシアターで演示していたことをすっかり忘れていました。人間,そんなもんです(^^;;)。
さらに,授業プラン〈赤ちゃんの秘密〉を基に作ったPPを紹介。簡単に授業体験してもらいました。是非,授業プランと併せ,修正して授業で使ってみて下さい。
最後に紹介したのが戸部けいこ著『光とともに…(全15巻)』という自閉症児を扱ったマンガの本。学校現場の事なかれ主義などが見え隠れして,考えさせられる内容でした。
5 私的「SDGs」考…珠洲市のアメリカザリガニの現状 A5 8ぺ O.M
「珠洲の外来種の話を道徳の時間にしてくれないか」という要望に応えるために,1ヶ月ほど,これまでの珠洲での研究報告を調査し,ある程度,まとめてみました。今回の書類などの調査をキッカケに,これからの少しずつ,珠洲市のこれまでとこれからについて,考えていきたいと思います。
そのうち,10月~11月に東京の会社と行ったアメリカザリガニ調査の結果が来ると思いますので,それも参考にしていきます。
6 「道徳プラン体験〈勇敢な少年〉」
「道徳プラン体験〈忘れられないご馳走〉」 伝導者 S.M
この日は,忘年会も行いました。そこで,その忘年会会場でもプランを体験してみました。
2本とも優れた道徳プランで,わたしの定番にもなっていたものです。「勇気」「勇敢」,「飼育」「ペット」「肉を食らう」ということについて,立ち止まって考えるいい機会になると思います。
子どもたちの授業後の感想を探してみました。古くて申し訳ありません。
□私は,梅沢君は体がよわくても心はつよいというのはすごいと思った。梅沢君とは逆に,小林君は体は強くても心はよわいと思った。山田君も心がよわいと思った。自分の好きな友だちをはっきり言えばよかったのに。 梅沢君が自分のいいたいことをいえてすごいと思った。(5年,さおり,2000)
□自分でずーっといっしょにいたのと,いなかったーすがたも見ていない物を食べるのとは,ぜん×2ちがう。(6年,みやこ,1999)
7 絵本の紹介:やなせたかし著『チリンのすず』 紹介 O.M
読後,とても考えさせられる内容の絵本です。低学年でも読み聞かせできますが,高学年が読んでも,あるいは大人が読んでも,何か気になってきます。
5時半頃からは,場所をお寿司屋の部屋に変えて1年の締めくくりをしました。コロナ禍とはいえ,田舎は,もともと密ではなく疎ですから。そう,疎過ぎる=過疎ですから。まさに一周回ってトップですね。「ビリッかす向きを変えれば先頭に」(板倉聖宣)です。
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