雑草の葉でもヨウ素反応を

教科書授業+αのタネ

教科書では,ジャガイモの葉を使い「日光が当たると葉にデンプンができていること」を調べます。そのとき,一部の葉には前日にアルミホイルを被せて日光に当てないようにして,比較実験をします。
わたしは,それもやりますが,同時に,校庭に生えている雑草(この言葉は嫌いだけれども)でもやってみます。

実験してみたい雑草を選ぶ

①ジャガイモの葉の授業の最後に,次の理科の時間(午後の時間が望ましい)の前日夕方に,自分で植物を選び,同じ株の葉2枚をアルミホイルで包んでくるように指示をする。
②そのとき,あまり大きな葉や笹などの硬いものは避けるようにいう(ただし持ってきても,それで実験すればいいと思います。どうせ,友だちの結果も分かるんですから)。
③理科のある日の天候を調べ…予報が晴れの日を選び…その前日,理科係にアルミホイルを渡し,帰りの会で配布するようにお願いする。
④当日の授業の前に,アルミホイル付とずっと日光に当たっていたと思われる葉(影になっていないもの)を2枚ずつ取ってくる。アルミホイルは実験まで取らないように注意。いずれも2枚準備するのは,念のため。

アルコール脱色法(以前からの方法)

①葉を熱湯に30 秒から1分ぐらいつける。
② 熱湯で湯煎した65℃以上のエタノールで緑色をぬく。
( 100ml ビーカーにエタノールを50ml 入れ,葉を入れる。300ml ビーカーに熱湯を入れ,100ml ビーカーを浮かべる。)
③ ぱりぱりになった葉を水ですすぐ。
④ ペトリ皿に葉を取り出し,薄めたヨウ素液をたらし,ヨウ素反応を観察する。

このページを見たLINEGROUP「たのじゅ石川」のKさんから,「アルコールでの脱色ですが、小さい小さいzip付きの袋に葉っぱを入れて,アルコールを少し入れて,それを袋ごとお湯に入れると、少量のアルコールで脱色できます」と教えてもらいました。Kさんは同僚だったM先生から教わったそうです。そこで,ネットで検索してみると,そのやり方が出ているサイトがあったので紹介します。詳しくは,そのサイト(後掲)を見てください。

アルコール脱色法(小袋方式,一人一人が実験できる)

①ZIPの付いた葉の入るくらいの小さな袋にエタノールを入れておく(20ccくらい。これは教師がやっておくとよい)。
②取ってきた葉をそれぞれの袋に入れ,空気をしっかり抜き,その袋をお湯の入ったトレイにつけて5~10分間くらいおく。
③緑色が抜けたら,葉をピンセットで取り出して,水で洗う。

詳細はこちら

ZIP袋での実験の詳細は,「簡単なデンプン反応実験」『お茶の水女子大学・理科教材データベース』に写真入りで解説されています。このサイトでも,いろんな植物の葉でできることやツバキなどの硬い葉は避けたほうがよいことなどの注意点も出ています。

ヨウ素反応の結果

シロツメクサ・オオバコ・タンポポなどの葉(名前の分からない葉っぱもあります)でも,ちゃんと脱色できたものは,どれもヨウ素反応がしっかり出ていて,アルミホイルで覆ったものとそうじゃないものとの比較ができています。最後の子の葉は,脱色が不十分だったようです。
これくらいいろいろな植物の葉で実験をすると,「どんな植物も,葉に日光を受けてデンプンを作っている」ことがわかるでしょう。けっして,ジャガイモの実験だけで,植物全体に一般化することのないようにしてほしいと思います。教科書は,そういう押しつけが多すぎますので。

仮説実験授業研究会の仲間内では,せめて3つくらいの事例を挙げ,子どもたちが「なるほど,それならばたぶんこうじゃないか」と思ったころに,「科学者はこう言っているよ」という話をしてあげるというくらいの丁寧さがほしいと言っています。

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