3 年生と「木と動物と夕焼け」

図画工作

尾形正宏
2012/01/21

はじめに

 『たのしい授業・2011年9月号』(仮説社)の口絵を見たときから,「これは楽しそうだ。3年生の子どもたちといっしょにやってみたい」と思っていました。今谷清行さんの「木と動物と夕焼け」という記事です。
 今谷さんはキミ子方式で描いた絵の活用法として「絵の具入門期の子どもにもラクにできて,ボクにとっても指導がラクで,それでいてもっと見映えのする<空>活用法はないものかな~」と以前から考えていたそうです。そして阿蘇旅行でたまたま入った喫茶店の『シルエット写真』を見て,この題材を思いついたそうです。
 今谷さんは4年生の1学期に取り組んだそうです。
 私の現在の担当は3年生。でも彼らとはすでにキミ子方式の空の描き方を一度やっています。しかもすでに2学期も後半です。ある程度はついてこれるだろう,との予想のもと,やってみることにしました。

授業の進め方

①アフリカの写真を見せる(5分)

 まずはネットから手に入れたアフリカの写真を見てもらいました。大型テレビに映し出したこともあり,歓声を上げて見ていました。ネットにはかっこいい写真(たぶん,アマチュア写真家のお気に入りなんでしょうね)がいっぱいあります。
 ただ,空にある太陽を描くわけではないので,なるべくなら太陽のない写真を見せるといいでしょう。私は,太陽のあるやつもたくさん見せました。
 ここでは「2種類の色でもかっこいい絵が描けそうだ」というイメージを持ってもらえばいいのです。

②夕焼け空を描く(40分)

 ここからは,今谷さんの方法を使います。詳しくは今谷さんの記事をご覧下さい。
 <橙色系><紫色系>の2種類を指定して選んでもらいましたが,2/3は<橙色系>でした。
 今谷さんも書いていますが,「たっぷり作るんだよ~」といってもそのたっぷりさがなかなか伝わりません。濃さなどもしっかりと教えてあげないといけません。
 右の作品は<紫色系>で作ったものの一例。

③<地面・草・木>を描く(90分)

 次にクロぽい色を作り(クロをそのまま使うのではありません),地面と草と木を描いてもらいます。
 地面は画用紙の下から幅2センチ~5センチくらいを中筆で塗りつぶします。少々でこぼこしても,それがまた味のある作品になります。
 草は,細筆で下から上へはじくようにします。が,これができない子が多かったです。どうしても上の方まで同じ太さになってしまうんです。今後のわたしの課題です。
 木は,岩崎清「一本の木」(昨年まで光村図書の『2年生国語』の教科書に載っていたやつ)を見せて,説明しました。ただ,この描き方を守っていない子もいました。だって話を聞いていないんだもん。だた,それでもそれなりの木に見えるのは,アフリカの風景のよさかもしれません。要するにちょっとくらいへんな木を描いても,それがまたいい感じになるんです。

④動物シルエットを選んで,切り抜いて貼る。(45分~80分)

 今谷さんが紹介していた『CD-ROMアニマル・シルエット』を利用しました。これがあるからこそ,この授業ができます。

・前時の間に…アニマル・シルエットの画像をサムネイル印刷して子どもたちに渡し,貼りたい動物を一ぴき選んでもらう(これは木を描き終わった子から始めてもらいます)。時間がなかった子は,休み時間を利用して選んでおいてもらいました。
・子どもたちが選んだアニマル・シルエットをB5版に印刷して渡す。
・子どもたちは,それを画用紙の上に置いてみて「動物の向き大きさ」を決める。
・私は職員室にいて,子どもたちが決めた「向きと大きさ」に併せて,縮小コピーをする。
・ハサミとカッターを使って動物を切りぬく。
・スプレーノリではる。
・作っている途中でもう一ぴき欲しくなったら,同じことを繰り返す(今回は,同じ種類の動物を貼ってもらいました)。

あとがき

 この教材は,とても楽しいです。子どもたちの感想は取っていませんが,きっと満足しているはずです。通知表もらいに来た保護者が自分の子の作品を見て「額に入れて飾っておきたい」と言っていたそうです。それくらいかっこいいものができます。


 右の絵は,図工が苦手,特に絵が苦手な子の作品です。動物がキリリとしているので,これでもなんとか作品になっています。それがこの教材の力だと思います。

 さらに,この作品たちは一枚一枚の完成度も高いのですが,ろうかや教室に並べたときの雰囲気がとてもすごいんです。そこだけ別世界!!という感じになります。職員も保護者もビックリ! というわけで,教室掲示にも最適ですね。

 クマを選んだりカンガルーやシカを選んだりして,とてもアフリカっぽくないのもありますが,そこはご愛敬。子どもがその世界に住んでいて欲しいと思った動物を選んでもらいました。
 次回への課題は…
①空の色をもっと大胆に選ばせる(これは今谷さんも書いていました)
②草の描き方を,先に小作品で練習させておく。
③何種類かの木のシルエットを用意して,それを見ながら描く。
 シルエットを切り抜くのがちょっと細かいので,低学年には難しいでしょう。一方,高学年でも十分楽しめると思います。

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