昭和初期までの『小學算術』の教科書は,昭和16(1941)年の国民学校の発足と同時に,1,2年生用の『カズノホン』(全4巻)と3年生~6年生用の『初等科算数』(全8巻)とに編纂された。
この教科書は表紙が水色であったため水色表紙と略称されることがある。「算術」は「算数」と改められ、理科とともに「理数科」の一科目とされた。
この教科書は,児童心理的発達を考慮する点において、また、具体的現実的生活問題に視点を向けることにおいて,前期の『小学算術』と基本的には同一である。すなわち、算数と理科とを分離しながらも,その間の深いつながりを認め,二教科をもって科学的な能力を開発し、さらにそれを実践的創造的な働きにまでも至らせようとしているのである。この水色表紙は緑表紙と同一系統に属しているとみられるが、軍国調の強い内容になっている点が特徴である。(大木尚美他「教育史に見る算数教育の変遷」より)
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『カズノホン』(国民学校初等科,昭和16年)
教師の授業用メモ書き入り『カズノホン 四』

わたしの手元にある本(古本屋から購入したもの)には,教師が指導のために書き入れたメモ書きが書かれていました。なかなか貴重なメモだと思います。今の教師に負けないくらい,ちゃんとやっているんですねえ。10ページほど紹介します。
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