4月といえば,新しい出会いの季節。勤務校が変わった人,担任が変わった人,分掌が変わった人――と,人それぞれ。みな,新しい出会いの話をしてくれました。
一旦教員を退職して日本一周していたWさんは,5月から,台湾へ行くそうです。Wさんの生活を見ていると,「自分の生き方って選び取るものなのだなあ」と,つくづく思います。
わたしの方は,時間はあるものの――あるからこそ――ゆったり過ごしすぎて,このサークルニュースも後回しになったりします。これはこれで退職後の気楽な生活なのだと思えばいいかな。
最近,夕食後にパソコンの前に座る気がしなくなりました。もう寝たい。というか,ゆっくり本を読みながらすっ~と死んだように眠りに入っていきたい。特に,最近は,図書系統にお金を使っているので,どうしても読書の時間が多くなるんです。
今月の参加者 N.T W.T S.Ma S.Mi O.M
今月の写真


今月の資料
1 サークル資料「ラストラン スタート!」 B5 4ぺ S.Mi
今年度で教職最後と決めたSさん。最近の楽しみの一つは「新聞に載っている旅行案内を来年は曜日を気にしなくていい!と思いながら見る」ことだといいます。そうなんですよ,待っていますよ~。
予想どおりの特学担任
さて,鬼を笑わせることはこれくらいにして,今年度の話を。今年度も予想どおり「特学担任」――今,ATOKで「とくがく」と変換しても「篤学」しか出てこなかった――。しかし,その勤務の雰囲気がなんだか不思議。ここには書けませんが,今後,Aさんが育休に入ったら,Sさんはその代替教員になるそう。なんだかよくわからない話。
さて,特学には精通しているSさんですが,初めて担当する「障害名」――Sさんは命に関わること以外は障害名を気にしないようにしていますが――だそう。そこで,気になったことはちゃんと調べたらしい。
ネット上ではあまり詳しいことは書けませんが,「ある障害があるから大変なんだ」と気持ちでは分かっていても,なんとなく「もっとできることを増やしたい」と無理をさせてしまう。
その少年は,社会的な知識は豊富らしく,Sさんは,そこに逆手に取った指導法を考えます。
国民の三大義務→教育を受ける権利を説明し,さらに,Sさんは,担任としてS少年に「味の勉強」をしてもらうつもりだということを伝えます。その結果,これまで好きなものしか盛り付けしなかったという給食のおかずを全種類一口ずつでも盛り付けてみたところ,少しずつ口に運ぼうとするようになったそうです。口につけてすぐに「おえっ」とだすこともありますが…。S少年にとっても,これは進歩じゃないかな。
存在価値を確かめつつ
もう少しで退職するという自分が職員室にいる意味を常に意識していないと,邪魔者になってしまうのではないかと危惧するSさん。同僚のため,生徒のために,自分ができることはないかと探します。
すると,それを待っていたかのように若者から相談を受けます。「昨年まで使っていた『学級日誌』をやめてもっと簡略化し,使いやすいものにしたいのだが」ということでした。
そこで,Sさんは,昨年の文化祭で取り入れた「つぶやき」欄を参考に,20代4名と相談しながら,A5版のメモ用紙(上写真左)を作成したそうです。
ほかには,校歌の違和感の話題がおもしろかったです。教師として赴任した母校の校歌。子どもたちが歌っているのを聞いて,なんだか自分が子どもの時に歌ってたときとは違和感があったというのです。何を今さら…と思わないでもありませんが,音楽担当に校歌の楽譜を見てもらったところ,数年前に音符の転記ミスがあったらしいことがわかったそうです。三つ子の魂百までも。来年3月の閉校式に前に間違いに気づいて良かったですね。歴代卒業生が集う閉校式で,間違ったまま校歌を歌ったのでは大変でした。
学級通信「朔(さく)」の紹介
学級通信も紹介してくれました。今年の1年生は,特学の子を入れて15名だそうです。
タイトルの「朔」というのは,「朔日=ついたち」のこと。そう,中学生のはじまりはじまりってところでしょうか。
そういえば,他のメンバーの学級通信に月の名前を冠したものがありましたね。
2 3月のこと 7月までのこと A4 9ぺ W.T
3月の例会は,4度目の〈おてつたび〉に出かけていて参加できなかったのでしたね。今月は,まず,その〈おてつたび〉の話題から。
鳥取県にある「鳥取砂丘パラグライダー砂丘本舗」というパラグライダー体験ができる施設でのバイトです。
Wさんが,パラグライダー経験者だというわけではありません。そんな人が,初任者に対してパラグライダーの飛び方の説明や注意事項を話すのですから,大変です。もちろん,専門のインストラクターはいるのですが…。ほかにも同じ会場で「プログラミングスクール体験」もやる(土日)というバイトです。
まずは,このパラグライダーを,砂丘の頂上付近まで運ぶのが大変そうです。
Wさんは,はじめに素直に語ります――「この時はまだ分かっていなかったのです。この仕事の”本当の姿”を」
以下,仕事内容をレポートから紹介します。
○思っていたより 「もりだくさん」, そして 「超専門職」
自分が担当した仕事内容を,ざっと挙げてみます。
☆平日
・3時間ごとに開催される,体験プログラムの準備と受け入れ(1日3コマ)
・操縦方法と安全対策,注意事項の説明(口頭で)
・飛行ポイントまでのご案内と機材の持ち運び応援
・フライトの準備
・体験開始,フライトの補助(3本のフライトを楽しんでいただく)
・片付けと記念撮影
・解散とお見送り
☆週末
・プログラミングスクール無料体験会の運営
・週末1日3回行われる授業または体験会にてお子様と保護者様の受け入れ
・プログラミングスクールの説明
・授業内での学習支援
これはたいへんそう。お仕事がこんな内容だということが,募集段階で分かっていたのかどうか。この項目を見ただけでもたいへんだなあと思うのに,実際にやってみると,さらにその大変さを感じたことでしょう。
Wさんは,「これらの仕事の中で,一番大変だったのはどれだと思いますか?」と問題を出します。
さて,あなたはどれだと思いますか?
詳しい話は本レポートを読んでもらうしかありませんが,答えだけいうと「フライトの補助」だったそうです。
いろいろと考えながら行動したおてつたびから学ぶこともいっぱいあったといいます。特に,
一番やってよかったと思うのは,「接客業で働く際に大切なことを再確認できたこと」です
とWさん。大切な部分とは何か,それが分かる部分を引用します。
接客業で働くときに,自分が大切にしている言葉があります。去年の6月,群馬県高崎市で開かれた研究会で,講師の漆原康之さんのお話を聞いて,心にすとんと落ちてきた言葉です。漆原さんは,元ホテルマンから小学校教員になったという経歴の持ち主で,お話もとても面白い方でした。
その言葉は,「全てはエンドユーザーのために」です。
漆原さんの言葉をお借りすると,エンドユーザーとは,「最終消費者」「最終顧客」を意味する業界用語です。業界ごとにエンドユーザーは異なります。パラグライダー体験でのエンドユーザーは,体験するお客さんですし,教師にとってのエンドユーザーは,児童生徒,保護者です。農家さんにとってのお客さんは農協や八百屋・料理屋さんなどの作った野菜を買ってくれる人ですが,エンドユーザーは,野菜を食べる消費者です。
どの仕事をするときも,エンドユーザーのために自分が何ができるか,もっとよいサービスはできないか。そう考えると,自分が仕事をする上での「芯」が生まれます。そして大切にするべきことを間違えにくくなると思うのです。 漆原さんは,「手段が目的化するとは,エンドユーザーの存在を無視して優先順位を間違えることだと思っている」
と話していました。ぼくは,これまでに優先順位を間違えていたことばかりだったなあと振り返るきっかけにもなりました。
〈フライト補助〉が難しいと感じたWさんは,仲間に要求されるまでは自分から進んで補助をすることをやめました。結果的には〈それが「エンドユーザー」のためになったのではないか〉と言います。
ほかにも,「プログラミングスクール体験」の指導や共同生活で感じたことなども報告してくれました。そこには,学校現場との違い,玄関の履が並べられていないことへのイライラ感など,自分の心の変化を赤裸々に語ってくれました。教育現場から離れたからこそ感じる〈素の自分〉というところでしょうかね。
さて,今後の予定ですが,〈おてつたび〉は福島県双葉町のホテル,海外旅行は台湾,マレー半島縦断,屋久島などを考えているそうです。
地元にいないときにはnoteを更新するそうなので,期待していますね。
3 「新しい始まり」 note記事 N.T
初めての級外+教務となったNさん。「どんな仕事が待っているのか」という不安より「あの研究主任から離れられた」喜びの方が――いまは――大きいようです。
級外についても,前向きに考えることがでてているようで安心しました。
級外も初めてなので、自分の学級がないと寂しいかと思っていましたが、杞憂でした。今の学校勤務が5年目で子どもたちとの関係がすでに築けていることや、年間を通して全学年の授業に関わることから、寂しさを感じることはありません。むしろ、学級のことをしなくていいと、時間に余裕ができ、授業の準備をする時間が十分に取れるようになりました。(レポより)
新しい始まりをしたのは,Nさんの娘さんも同じ。たった一人の入学生として緊張して入学式を終えたようです。いま珠洲市では,一人だけの学年どころか,児童・生徒のいない学年まで出てきていますからね。
学校には〈一人だからこそできる教育〉を目指してほしいものです。
そうそう教育月刊誌『たのしい授業』(仮説社)に,はじめて文章が掲載されました。能登半島地震後の学校現場を紹介する記事です。こうして日本の先生方に,現状を知ってもらうことも大切なことですね。
卒業式の話題も少し。
卒業を迎えた6年生との最後の場面。
パソコン画面に「卒業おめでとうございます」という文字を反転させた画像を出しておきます。教室に入ってきた子どもたちは,「先生,文字が反対だよ~」ということでしょう。そこで,画面の前に空のコップを置いて,そこに水を入れていくと,あら不思議,コップの中にはちゃんとした文字が見えるではないですか。
〈丸い水〉がレンズの役目をすることを利用した科学手品です(写真②③)。
ちょっとしたことだけれども,少しでも笑顔になれる瞬間を大切にしていきたいですね。


最後に〈気になっている本〉として紹介されたのが,菊池省三著『足型をはめられた子どもたち』(講談社)という本。本の表紙を見ても,その言わんとしていることが象徴されていました。気になる本です。
本書では,公立小学校の現状を知っていただき,その解決策として荒れた子どもたちを変えてきた菊池先生のコミュニケーション教育を紹介。たとえば学習意欲は,型にはめなくても,子どもの内面が成長すれば増すことがよくわかります。/保護者のみなさんにとっても,子育てについての認識が180度変わる「ほめ方」や「叱り方」「語彙の増やし方」「考える力のつけ方」など、子どもを社会に送り出すために,家庭でできる実践法をお伝えします。(Amazonの商品紹介より)
4 「喃々レポ2026年4月号」 A5 8ぺ O.M
今月も,最近嵌まっているわたしの読書周辺についてまとめてきました。
Audibleで聞いた本は,
①井伏鱒二著『黒い雨』(新潮社) 9時間43分
②宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』(角川書店) 2時間4分
③湊かなえ著『暁星』(双葉社) 9時間42分
④井崎英典著『教養としてのコーヒー』(SBクリエイティブ) 4時間35分
⑤三宅香帆著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社) 5時間43分
⑥安藤優一郞著『蔦屋重三郎と田沼時代の謎』(PHP研究所) 5時間41分
①②は〈最後まで読みたい〉〈けど時間が無い〉と思っていた本です。内容のことはある程度知っているのですが,最後まで読み通したことがない。そんな作品を,犬と散歩しながら強制的に耳から聞くのはなかなかいい経験でした。小説だけではなくて,④⑤⑥のような本もあるので使いかってはありそうです。
また,Kindle unlimitedで読んだ本は,
⑦小泉八雲著・落合貞三郎/田部隆次/大谷正信訳『完訳 知られぬ日本の面影』(小泉八雲随筆全集より)
⑧小泉八雲著・田部隆次/戸澤正保訳『東の国から』(小泉八雲随筆全集より)
⑨田部隆次著『小泉八雲(ラフカディオ・ヘルン)』
特に⑦⑧⑨の小泉八雲本は,Kindleでしか読めない本なので貴重です。『日本の面影』には新訳本も出ていますが,残念ながら全訳ではないんです。恐らく著作権が切れたからこそできる「電子本による販売」なんだと思います。図書館にない――借りられない――本も読めるというのがステキ!!
レポートでは⑦から「難読漢字」をピックアップしてみなさんに問題を出してみました。――Kindleには,読めなくて意味の分からない熟語をすぐ調べる機能もあるのでこういうときは便利です。
・すべて古びて,色褪せ,磨損して,櫛風沐雨に見分け難くなったのもある。(第四章 江ノ島巡礼)
・商人の群集と喧囂と無数の灯火の上に高く立ち,輝ける町の終端にある真言宗の大寺院が,その丘の上から星空の中へ夢のごとく凄く聳えている。(盆市にて,115ぺ)
なお,レポートで取り上げた熟語は,ページを改めて紹介しておきましたので,語学力を確かめたい方は挑戦してみて下さい。
今月の図書
他にも,鳴き砂(Sさん提供,上写真右)もありました。
S.Maさんは,今年から管理職になったそうです。「学校も変わり,まだ右も左も分からないので,忙しくない」と余裕顔でした。これからは〈管理職だからこそ感じる話〉が聞きたいな。このサークルは,ともすると,管理職や教育委員会の悪口になってしまいそうなのでね。
まあ振り返ってみると,サークルに通っていた人たちからは,多くの素晴らしい管理職が出ているし,なんなら教育長までいたりしますので(^^;)
「なかなか奥深いサークルだな」と自負しています。ずいぶん続いているようなあ。








コメント