珠洲たの通信・2020年12月号

2020年度

 まずは,新年の挨拶から。
 あけましておめでとうございます。昨年は,新型コロナによる災厄で散々な1年でした。そして今年もまた,その新型コロナと付き合っていくことになりそうですが,そんな中でも「シメタ」を見つけて過ごしていきたいと思っています。今年も1年,どうぞよろしくお願いいたします。
 さて,そのシメタをしっかり見つけて自分の力を発揮している若者にはとても勇気づけられます。ニュースを見ていても,「今までどおりできない」と愚痴を言っているだけのお店もあれば,新しい商業パターンに挑戦しているお店もあります。わたしたちも,「今だからできること」を見つけてすすめていきたいですね。
 さて,今年の抱負なんて考えましたでしょうか? わたしの抱負を思いつくまま,ここに書いてみたいと思います。退職してからのこの1年間はあっという間でした。今年は,神さんも退職するので,どんな一日のリズムになるのかよく分かりませんが,書いてみたいと思います(12月はレポートも少なかったので紙幅には余裕があると思いますので)。
 まず,わたしの生活が,NPOの活動を中心に動くことは間違いないでしょう。昨年は,能登学舎とそこに集まる人たちが,わたしの新しい生活の一部になりました。今後ここでどんなことをやっていくのか。「なにかしたいことないか?」と聞かれました。提案したいことはまだ見つかりませんが,NPOのメンバーとして,何か取り組んでみたいと思っています。
 そして,ふた月に一度くらいは旅行に行きたいなと思います(これは現役中でもやっていたような)。近場でいいので,一泊二日や二泊三日くらいの旅行に出かけたい。神さんも旅行が好きなので,ブラタモリを参考にして行ってみようかな。もちろん,寺院・仏像も含みます。
 もうひとつは,自分の身の回りの整理です。わたしは本当にたくさんの「もの」を持っていて,どう断捨離するのかが課題です。しかも,新しく欲しいものもあるので,たまる一方。

今月話題の本

■12月の例会の参加者(6名+忘年会より1名)
 K.H   Mi.S   T.N   M.K   Ma.S  M.O  

資料の紹介

1 「珠洲たのレポート12月号」 B5  4p  K.H
 iPhone12を購入したHさん。さっそく『iPhone12スマートガイド』(技術評論社)という図書を購入し,iPhoneの機能について勉強しているようです。どれだけ使えるようになっていくのか,毎月の成長が楽しみですね(と少しプレッシャーをかけておきます)。
 他に紹介してくれた本は,以下の通り。
○五木寛之著『百歳人生を生きるヒント』(日経新書)
 またまた五木さんの本。人生100年時代と言われています。だから,こんな本も売れるんでしょう。わたしも気になります。がしかし,ここ1年で参加したお通夜・お葬式では,その100年も生きられなかった人もいます。100年も生きられるかもしれないし,もう少ししか生きられないかもしれません。いつ息が止まってもいい生き方ってないのかな。最近は,そんな本があれば読んでみたいとも思うようになりました。ま,五木さんも,どちらかというと,いつお迎えが来てもいいよという生き方を薦めているのだと思います。
○小原茂已他著『よくある学級のトラブル解決法』(仮説社)
○佐竹重泰著『たのしい授業という力』(ガリ本,山路カウベル堂)
 この2冊は,仮説実験授業の実践者が書いた本です。小原さんの本は,「学級のトラブルの報告」に対して小原さんが助言を述べています。
 「コーヒーブレイク」では,Hさんご自身がまだ新米だったころのことを振り返っています。
教師としての最初の思い出は、初任の頃,深夜まで教材研究をする(今考えると効率が悪かった)あまり、翌朝教室である生徒(確か1年5組のW君)に「先生、眠そうですね!!」と言われたことを彼の顔と共に鮮明に覚えています。今考えると一番大事な授業時間に教師が眠たそうな顔をして、授業をしているなんて、もったいないことをしていたなあと思います。(レポより)
 「覆水盆に返らず」…しかし,人は失敗から学ぶことができる。ただ,もう一度教壇に立つことはできないのだよな。それにしても,Hさん,今でもこのW君の名前をしっかり覚えているんだから,このときの言葉はよほど堪えたんでしょうね。

2 「Harf Moon 」 B5   4p   T.N
 今月のタイトルは「終わりよければ全てよし」です。タイトルだけで「おお~,こりゃいいこと書いてあるな」とわくわくしてきます。
 はじめて6年生の担任となり,この2学期,子どもたちに充分なことをしてあげれなかったと反省するNさんですが,子どもたちはちゃんと見ていますね。
直接,仮説実験授業ができなくても,たのしい授業の方達から教わった子ども第一のスタンスで,子どもたちとの関係は崩れずに乗り切れたと思います。3学期はたのしいこと,仮説実験授業をしてあげたいです。(レポより)
 仮説実験授業を待っているのは,子どもたちだけではなく,先生もですね。子どもたちが輝く姿は,授業で見るのが一番。でも,6年生には特別な役割もあるので,3学期には,それぞれの場所で輝く姿が見られるといいですね。
自分は理科素人なので,わからないことや失敗が多くありました。準備不足や実験器具の破壊を何度も経験しました。(レポより)
 理科担当者として高学年理科を全て教えることになったのですが,いろんな失敗があったようです。でも,こうして自分の不十分さが分かるということこそ,成長への第一歩だと思います。みんな,最初は何にも知らないんですから。フラスコなんて,いくつ割れてもいいよ。ただし,危険な実験だけには要注意です。先行実践(特に失敗の)をしっかり調べてやっていってね。そうしないと,好きな授業ができなくなっちゃうから。以前,金沢であった「べっこう飴やけど事件」のせいで,今でも金沢ではべっこう飴づくりは禁止なんじゃないかな。
 そんな中,学教研の2つの部会で講師をしたというのは,Nさんの技術をみなさんが求めている証拠です。
サークルでレポート発表している経験から,自分がたのしいと思えることなら文章を書けるし話せるということがわかったので,講師役を快く引き受け負担なく取り組むことができました。やらされることではなく,自分がやりたい,たのしいと思えることが,自分の勉強にもなるし相手にも伝わると思いました。(レポより)
 こういう講師の経験を通して,技術的な内容と同時に「自分がやりたいことをやることの大切さ」も人様に伝えていってください。「みんな,やらされているからおもしろくないんだよ」ってことが伝われば,教組教研やサークルに参加してくれる人が出てくるかも。
 最後は,4年生のSくんの話題を取り上げます。盛り上がりを見せた《宇宙への道》の授業。一方,大きな数字が出てきたりして,あまり授業に乗り気に見えなかったSくんでしたが,授業書が終わってページをホチキスで止めるときに,
なんとS君が「このページとこのページがないです。」と言いに来るではありませんか。折ったり理科室に置きっぱなしにしていた授業書が,終わりにはしっかり価値のあるものになってくれたようで嬉しかったです。(レポより)
 取りに来たときに「あなたがちゃんと管理していなかったからなくなったんでしょ」と言わないところがいいですね。これ,もしも担任だったらついつい「自分でなくしたんだから,まずは謝りなさい」などといらないことを言ってしまいそうです。そんなことをすると,次から言ってこなくなりますものね。行動分析学の教えるところです。

3 「喃々レポ2020年12月号」 A5  8p   M.O
 今月は,なんといっても「行動分析学」を紹介したくてレポートをまとめてきました。この学問は,今の教育界(学校に限らず家庭でも)では,とても大切だと思います。今回紹介した本をぜひ手に取って読んでみてください(特に●を)。子どもに対する指導だけではなく,自分自身を変革するためにも使えそうです。
○島宗理著『使える行動分析学:じぶん実験のすすめ』(ちくま新書)
●杉山尚子著『行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由』 (集英社新書)
○島宗理著『人は,なぜ約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」』 (光文社新書)
○B・F・スキナー著『自由と尊厳を超えて』(春風社)
 このほかに,市民図書館から借りて読んだ本がありますので,ここに紹介しておきますね。
○山口薫著『発達の気がかりな子どもの上手なほめ方しかり方―応用行動分析学で学ぶ子育てのコツ (ヒューマンケアブックス)』(学研ブックス)
 この本をしっかり読んでもらえると,学校や家庭での子どもへの叱責や暴言が減るだろうな。そして学校(家庭)も,もっと柔らかな雰囲気になりそうだ。令和になった学校現場でも,とくに古い人たちは,子どもを怒ればいいと思っている人がまだまだいるからなあ。化石だわ。なんでも子どものせいにする。「あんたそれでも教育者か!」と言いたくなる。
 子どもたちが「やってはいけない行為」をやってしまったとき,あるいは「やって欲しい行為」をしてくれないときに,どのように躾けていくのか。
 「行動分析学」という,科学的な立場に立って書かれている本書は,たんなる家庭教育How to本などではない。本書のタイトルには「発達の気がかりな子どもの…」と書かれているけれども,決してそういうタイプの子どもたちだけではなく,一般の子どもたちにも通用する内容だ。
 最後の第6章には,「応用行動分析学の諸原理」として,本書前半で取り上げた「褒め方叱り方」についての学問的基礎について書かれている。こっちを先に読んでから,前半のQ&Aを読んでみてもいいかもしれない。
 もう一度いいますね。Q&Aでとても読みやすくて,明日からでも使える本です。ただ,その対応の仕方に対する学問的基礎が書かれているので,それこそ,応用も利くと思います。お薦めだよ~。

4 「わたしの琴線の在処№3」 A5  8p   M.O
 今月取り上げたのは斉藤裕子編『レモン萌ゆ』(ガリ本)です。とてもいい言葉がいっぱい。本書のような文章を読んでいると,先生ってなんていい職業なんだろうって思います。子どもの前に立てる時間は貴重だったんだなあ。覆水盆に返らず。

 6時から9時まで,しっかり時間を決めて,忘年会をしました。そこでは,「感染症入門」というプラン(第1部だけ)も体験してもらいました。第2部もいつかやってみたいです。
 さて,今年も月に一度の例会を続けていきます。オンラインもいいですが,なるべく顔を合わせて話をしたいですね。

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