鵜島地区(秋祭)
鵜島地区(デカ山祭)
鵜飼・春日野地区(七夕祭)
鵜島地区の祭礼とその歴史
毎年9月15日と16日の両日,行われている鵜島地区の祭礼についてご紹介します。鵜島地区は,観光地である恋路海岸と見附海岸に挟まれた約2.5キロの国道249号線沿いの地区です。5つの神社にちなんだ5つの山車を,それぞれ揃いの法被を着た若い衆たちが勇壮に引っ張ります。山車の上には,人形や館を飾り,上を大きな岩山と呼ばれる5枚の布で覆います。
この鵜島の曳山祭りについて,宇野通著『加越能の曳山祭』では,次のように紹介されています。
「鵜島の曳山祭には,5輌の七尾型曳山が出る。かつては3輌の巨大な曳山が,塩田の浜を曳かれていたが,塩田が無くなり,浜が浸食された結果,昭和30年代に曳山は小さなものに造り直されて,国道を曳かれるようになった。この祭礼も,17世紀後半に編集された「能登名跡志」に記述があり,江戸中期から行われていたことが確認できる。
鵜島の曳山は,七尾とも宇出津とも少し形が異なる(上戸,正院川尻なども,鵜島と同型)。異なるのは,曳山の舞台の背後に大きな舌状のもの(竹で造り,布で覆っている)が5枚,端を重ねて取り付けられる点である。これが,舞台に覆い被さっており,舞台は洞穴の中にあるように見える。この舌状のものは「岩山」と呼ばれている。(p.246~p.247)」
このほか,鵜島の祭で特徴的なものに「キャラゲ」があります。小学校の男子が化粧をし,着物を着て,曳山の前に乗り,曳山の誘導をします。さらに,山車の曳き初めや終わり,戻りや各神社の前などで「曳山唄」を歌います。たとえば山車の引き出しの時には次のような歌詞を歌います。
アーヤー 若い衆や
過ちするなよ けがするな
人はめんどと 云うばかり
若い衆 若い衆
みなそろたかや
まだもそろたか 四綱までも
怪我のないよに そろそろと
そして15日の夜には,この「キャラゲ」が若い衆におんぶされて,自分たちの地区の家を一軒一軒まわり,各家の人やお祭りに来ているお客さんに「唄」を聞かせ,「花代」をいただきます。以前は,16日にも他の4地区を一軒一軒まわっていました。
しかし残念ながら最近は少子化の影響で,山車の数も減り,唄を聞かせることも少なくなりました。
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