のとたのしい授業体験講座

塩酸を注ぐ小林さん たのしい授業体験講座

ー石灰石と煮干しー

 2009年5月16日(土)~17日(日),和倉温泉「のと楽」さんを会場にして「のとたのしい授業体験講座」を開きました。今回のメイン講師は,東京都の中学校理科講師・小林眞理子さんです。
 今回の講座の主目的は,最近,仮説実験授業研究会で検討されている授業書案《不思議な石,石灰石》をじっくりと体験しようというわけです。
 途中に,大道仮説実験「バンジーチャイム」をはさんでの楽しい会となりました。
 今回の参加者は23名。
 参加者のみなさんも十分楽しんでくれたようです。



【授業書体験講座】 《不思議な石,石灰石》(前半)   小林眞理子

 授業書の副題は<はじめての鉱物学と化学>となっています。石灰石と遊びながら,化学入門,鉱物学入門をしようというわけです。
 さて,石灰石って見た目でわかりますか?
 まずは,塩酸の中に石灰石を入れて泡の出る様子を見てみます。これは6年生の理科の時間にやったことがあるのですが,あのときは小さな石に塩酸をかけるだけです。
 今回は,なんと大胆にも大きなビーカーの中に塩酸を入れて,そのなかに大きな石灰石を入れるのです。まさに石からぶくぶくと泡の出るようすが分かります。
 そして,参加者のみなさんにたくさんの石の中から「これは石灰石ではないか?」と思う石を選んでもらって,実際に塩酸の中につっこんでみました。予想どおりに泡の出た人たちは、自慢げな顔です。
「石灰石に塩酸を入れると二酸化炭素が出てくる」ということですが,それでは石灰石は,どんな原子でできているのでしょう。
 この問題あたりから,分子模型を使いながら,問題の予想を立てていくのです。
 今回,初めてボンテンを原子として使いながら,自分たちで原子の組み合わせを考えながら授業を進めました。これがとても分かりやすかったです。

塩酸を注ぐ小林さん
塩酸を注ぐ小林さん
どれが石灰石か?
ボンテンを原子とみて考える



【大道仮説実験】 バンジーチャイム演奏会        眞智 富子

 続いての講座は,大道仮説実験の一つ。講師は「珠洲たのサークル」の眞智さんです。
 眞智さんは昨年,5年生と6年生の音楽で,この「バンジーチャイム演奏会」をしました。
 おそらく奥能登では初めての事だったと思います。
→ このときのレポートは,ココで読めます
 そこで,その演奏会をやってもらったわけです。
 さすが経験者,的を射た進め方で,楽しい演奏会となりました。
 また,金沢から参加して下さった野村さんが,50本以上もある「バンジーチャイム」を持ってきて下さいました。保護者の方がつくって下さったとか…。さらには,アルミパイプで作ったチャイムもあって,とってもかわいかったです。
「みんなでやるからできる演奏」って,一体感ができていいものです。
 いつか,子どもたちとやってみたいです。

指揮に合わせて金属棒を落としていくと…

【ナイター】 お部屋で…

 近くのお寿司屋さんで夕食を食べたあと,コンビニで夜食を物色し,部屋に集まり「ナイター」を開きました。
 この会は参加自由ですから,ま,適当につきあってもらえばいいのですが,みなさん,なかなか熱心に話し込んでいたようです。
 小林さんが持ってきて下さった『もしも原子が見えたなら』のシミュレーションの映像がすごかったです。分子が飛び回るようすが,まるで本物を見ているよう(と言っても本物は見えませんが…)。ちゃんと速くとぶ分子もいるしゆっくりとぶ分子もいます。ぶつかって方向も変わります。
 その他には,今年の7月に日食があるのですが,その日食観測用のものづくりもしました。これは参加者の長田さんが用意をしてくれました。ありがとうございました。
 尾形が書いてきた「沖縄と石灰石」というレポートは,次の日の予習になるので,読まないでね…ということになりました(^^ゞ

‎もしも原子がみえたなら
‎世界が原子でできていることをたのしく学ぶ授業用のアプリです。動く科学絵本としても楽しめます。 本当は色は無い世界ですが、カラフルな原子や分子の模型で空気や水のようすを表現しています。小学生くらいから原子や分子の世界にたのしく入門できます。...

←2022年現在は,スマホ用のアプリにもなっています。以前のギザギザ感もなく,とてもスマートが仕上がりです。超お薦め。

【授業書体験講座】  《不思議な石,石灰石》(後半)   小林眞理子

 前半は,生石灰を使った料理?をしました。おいしかったです。小林さんが準備してきた「むす弁」もすぐに売れてしまいました。かくいう私も買いそびれてしまったくらいです。
 さて,後半は「土壌改良材としての石灰」「漆喰の話」から。右の写真は,沖縄のお土産店で売っていたらしい漆喰でできたシーサーです。かわいいですね。
 それでは質問です。
「漆喰と二酸化炭素が結びつくと,何ができるのでしょうか? ボンテン分子模型を使って考えてみましょう」
 この質問に,しっかり答えることができるからビックリです。というか,自分の頭がかしこくなったことを感じることができます。
 最後は,本物の単体のカルシウムの実験をしておしまい。
 これ以上くわしくいうと,授業書の構成に関わるので,興味のある人は,ぜひ,仮説実験授業研究会主催の会に参加して体験してみて下さい。
 いやー,たのしかったなあ。

漆喰でできたシーサー
金属カルシウム

 この授業書は,昨年なくなられた吉村七郎さんが育ててこられたプランです。そのかたわらで一緒に研究してきたのが小林さんです。
 この講座の後半で,吉村先生が持っていらしたサンゴや方解石などを分けてくださったのですが,こういうものを引き継ぐことにとても感慨深いものがありました。

【観察】煮干しの解剖      小林眞理子

 体験講座の最後は「煮干しの解剖」です。
 これは小林さんが「科学の祭典」で見たブースをきっかけにして調べていったもので,全国でもずいぶん授業にかけられているようです。
 あの,あの煮干しを解剖するんですよ。
 ちゃんと脳や心臓や肝臓などがあるんです。わかるんです。うまくいかなければ食べちゃうんです。そして次の煮干しに挑戦するんです。
 プロジェクターで画像を見ながらやったけど,やっぱり講師の先生に教えてもらうのが一番。一度どこらあたりにあるかが分かれば,あとは自分でも探し出すことはそんなに難しくはありません。

いい姿の煮干しを探す参加者

 なお「煮干しの解剖」については,専用のHPがちゃんとあるので,そこから画像などをダウンロードして,授業にかけて下さい。大変くわしい画像と説明が載っています。また,単行本にもなっていますし,Kindleでも読むことができます。とにかく,ずいぶんと授業をしやすくなっていますので,ご利用してみてください。

煮干しの解剖資料室

煮干しの解剖教室


コメント

タイトルとURLをコピーしました